治らないなんて希望を捨てないで【小説】

廊下で姉が硬直してる【発騎】 ページ38

「なんてこったい」
そう言うのも仕方がない。
廊下で姉が硬直してるのを見たら、
誰だってこーなるだろーが。
嗚呼、また暴言。

なんでつきは恋とは無縁なんだ。
恋できりゃ治るのに。

「は、発騎くん！？」
そして、原因とみられる杏香。
杏香が言うには、激突して芳香でこうなったとのこと。

「こちとら、きりと復縁しに来てんだよ！」
嗚呼、治れ、毒吐き病。
でも、衝動的に暴言は飛び出す。
辛い。
つきは天然系ドSじゃないんだよ！

「…………で、どうする」
廊下で20分も待つのは流石に埒が明かない。
だからといって、姉を担いで部屋へ、というわけにもいかない。
「人探す？」
そんな杏香の発言に同調する。


「誰か、誰かいませんか？」
声が小さい。
「……つきが呼ぶよ」
「だーれーかーいーまーせーんーかー！！」
「ww」
「うっせーなww」

すると。

ガチャ。
「どうしました……か？え、その人どうしたんですか、息してますか」
茶髪の男性ーー確か、雅樹さんだったようなーーが出てきた。

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