【d!】日常に潜む｡【企画】 (ページ11)

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どろっぷす。３-４ページ11

時計を見れば13:00。
美味しいご飯を食べて、会社へ戻ってきた。

午前中終わらなかった資料に手を付けよう。
かさりかさりと手元を漁れば緑色の付箋が目に付いた。
……そうだ。

きゅぽ、とペンを手に取って書き込んでいく。
終わった資料に貼り付けて席を立った。

『おすまん先輩。』

「お、終わった？」

『終わりました。』

「どれど………………れ？」

一番上の資料に貼り付けてある緑の付箋。

[ 終業後私の家で晩御飯 ]

『どうですか？』

「……大丈夫やで、ありがとな。」

ふふ、してやったり。
あんなに驚いた顔中々見られない、私だけの秘密にしておこう。

さ、終業後のために午後も頑張ってデスクワークだ。
目を覚ますためにも珈琲を買いに行こう。
財布から小銭を数枚取って自動販売機へ向かった。

こつ、こつ、こつ、ヒールの音が響く。

ちゃりちゃり、ぴ、がこん。

「なあ、」

『ぉわ、おすまんさ』

ぴとり、人差し指で口を塞がれた。

「社内やからあかんよ。」

『……先輩。』

「ん、よろしい。」

『なんで、ここに？』

「なんとなく、おれも飲みもん欲しかったし。」

なんとなく、飲み物が欲しかった、そんなのきっと嘘だろう。
だって手には財布などないし。

『……疲れてます？』

「せやなあ、疲れてはおるわ。」

『食べたいもの、あります？』

「うーん…、ケーキ…？」

どうやら甘いものをご所望らしい。

『わかりました、とりあえずデスク戻りましょうね。』

「先戻っとってや。」

そう言って彼は風にあたりに行くのかふらふらと歩いていった。
私は先に戻ることにする。