絶体絶命というわけでもない ページ2
――これはかなりまずい…
蛍と思われる人物と目線があった瞬間、反射で前を向く。
不自然だと思われないよう、何事もなかったかのように、金森と会話を続ける。金森、お前はもっと危機感というものを持て。
会話しながら、頭をフルスピードで動かす。テスト終了十秒前に名前を書き忘れていたことに気づいたような気分だ。渡辺って、微妙に画数多いんだよな…
ふいに、蛍が前に言っていたことを思い出した。
『この眼鏡は伊達でね、私、視力2あるんだ♡』
しっかりハートマーク付きだった。蛍の場合、おそらく嘘だと思うけど…
前に蛍に眼鏡を貸してもらったことがあった。
…確かに、度は入っていなかった…ような気がする。
視力2がマジかどうかはさておき、蛍の目はそれなりにいい可能性がある。かなり、ヤバい。
千「…金森」
金「何？」
千「蛍とおぼしき人物に、つけられてる」
金「えっ！？」
大声を出すな！という気持ちをこめて、金森の足をおもいっきり踏んづける。あわてて口を押さえる金森。
すこし、歩くペースを上げる。それに合わせて、かすかな足音のペースも速くなる。
――さて、どうやって撒くか…
全速力で逃げりゃ、絶対に引き離せるが、絶対に不自然だ。
金森をこずく。
千「…次の曲がり角で別れる。金森は普通に家に帰ってて」
無言で頷く金森。
千「じゃ、また明日な」
声を低くして、そして蛍に聞こえるように言う。
金森が軽く手を挙げた。ぐっどらっくという意味だろう。…意味はわからないが、まぁいいや()
しばらく、そのまま歩く。足音は、私の方についてきた。
――バレたかな？
そうだともう腹をくくるしかない。
その時、足音が小さくなった。
注意深く聞くと、引き返しているようだ。
全身から、力が抜ける。
どうなるかは、カニの味噌汁…神の味噌汁…神のみぞ知るってことか？
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←大まかなるあらすじ…これ意味二重してる？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミソラ☆ | 作成日時：2022年9月10日 20時
