【な組】契約が愛に変わるまで【紫】

契約2 ページ3

契約として結婚式も挙げたはいいけど。

「ファーストキスが、契約上の夫とは……」

そんなこと誰が想像できただろう。

せいぜい全知全能の神、ゼウスくらいでしょ。

「あの、少しいいですか？」

「あ、は……構わないわ」

一応ここの姐御となるのだから敬語を使うのは可笑しいよね。

「失礼します、俺たちは若頭の特に関わってる5人なのでご挨拶に」

人懐っこい笑顔を浮かべる彼。

なんでこんな人がこの裏社会にいるの……？

「俺は赤瀬莉久と言います！みんなからはコードネーム莉犬って呼ばれてます！」

みんなコードネームがあって普段からそう呼ばれてそうだね。

「桃里実です、コードネームははさとみです！気軽にさとみと呼んでください」

ピンクの髪に青色の瞳……ピンクでここまでイケメンに見えるのも珍しい。

「青野論です！ころんって呼んでください！」

見た目可愛いのに声がヤギ……。

「黄戸瑠羽です、るぅとって呼んでください」

これもまた裏社会では珍しい部類の人間ね。

「俺は橙野恵留！みんなからはジェルって呼ばれてるんでそれで」

関西弁の訛り……。関西人なのかな？

「よろしく」

それにしても夫婦で同じ部屋じゃないのって変に思われないの？

「そういえばなんで夫婦で同じ部屋じゃないんだろうねー？」

ころんからそんな声が聞こえた。心の声読まれた！？

「なーくん曰く仕事が多くて遅くに寝ることが多いかららしいで」

光が漏れるからってこと？……口実まで準備しとくなんて用意周到ね。

流石裏社会で知らないものはいない組ね。

契約3→←契約1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す