生徒会長VS不登校 ページ3
方向音痴同士の話に呆れた隣の先生が、この辺一体の地図をくれた。その地図に赤ペンで囲われた家、それが今の僕の目的地であった。ちょうど僕の家路の通り道であるその家は、我が校唯一の不登校者の家である。
正直面倒くさいし、不良かも知れないので関わりたくないのだが、生徒会長という肩書きが逃げ道を塞ぐ。
乾先生にもらった資料に貼られた顔写真には、いじめられるような陰キャラとは正反対の、むしろクラスの中心でワイワイするようなイケメン君が写っている。
「なんでこんな奴が不登校?…って、僕と同じクラスじゃん!何で気づかなかったんだろ…」
クラスの空席すら気づけないなんて、生徒会長失格だと、項垂れている内に、目的地到着だ。
目の前には一軒家。兄弟3人でマンション住まいの僕には羨ましい限りである。
扉の横のインターフォンを押すと、中から美人な女の人が出てきた。
「はーい!あら、朔夜のお友達?!嬉しいわぁ!さ、あがってあがって」
「あ、あの…一君の、お姉さん?…ですか?僕は、」
「お姉さんだなんて、お世辞がお上手ね、母よ」
「えっ?!」
老けという概念は何処へ?どう見ても二十代のお母様。とても高校生の息子がいるように見えない。
「朔夜も家にいてばっかりで心配していたけど、他校にもお友達がいるなんて…ちょっと安心したわ」
「ん?…僕は一君と同じ学校ですけど…」
「え?あそこは男子校でしょう?」
「男ですけど…」
「えっ?!」
お母様、制服の時点で気付いてください。
お母様とお互いの勘違いを正したところで、本来の目的、本人と対談し登校させるを実行しようと思う。僕は今、一君の部屋の前にいるのだが―――
「ど、どうしよう…めっちゃ怖い感じだったらどうしよう」
絶賛怯え中である。
だって、僕が知ってるのは顔写真だけだもん!無表情なイケメン君から読み取れる情報は少ないんだもん!
半泣きになりながら懊悩すること10分。意を決して、扉を開いた。
カーテンの閉められた暗がり部屋の中、パソコンのブルーライトに照らされた顔がこちらを向きながら言った。
「母さん、ノックくらいしてっていつも言ってるでしょ。息子がマスターベーションなうだったらどーすん……」
「…あ、あの…僕、晴天Aと言います…」
ついに、目的の人物、一朔夜と顔を合わせた。
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そろばん - 更新頑張ってください!戻ってきていただけて嬉しいです(*>ω<*) コメントしつれいしますた! (2017年3月6日 1時) (レス) id: 1578766265 (このIDを非表示/違反報告)
眼帯@引退作者(プロフ) - 蘭さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです!励みになります!亀さん更新ですが、一回一回の質を高くしていきますので、温かい目で見守っていただけると幸いです。 (2017年2月26日 2時) (レス) id: aa33a52c48 (このIDを非表示/違反報告)
眼帯@引退作者(プロフ) - ひーこさん» 本当ですかっ?!とっても嬉しいですっ!設定だけ持ってきたような作品になりそうですが、楽しんで頂けるよう、精進します(*`・ω・´)コメント・応援ありがとうございました! (2017年2月26日 2時) (レス) id: aa33a52c48 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - めっちゃ続き気になります!!!更新頑張ってください!! (2017年1月21日 16時) (レス) id: 8c5744d643 (このIDを非表示/違反報告)
ひーこ(プロフ) - 三年前もこの小説の大ファンでした!!楽しみにしています!!更新頑張ってください! (2017年1月2日 21時) (レス) id: 464a5e0fbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眼帯@復帰 | 作成日時:2016年11月30日 18時