愛せよ乙女 ページ17
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君が無邪気に笑うとき、隣にいるのは私じゃない。あんな素敵な笑顔を見るのは初めてだった。赤面も、泣き顔も、驚いた顔も…君の喜怒哀楽の色を知らない。
私だけの君だと思ってたのに、現実はそんなことなくて。女の子と奇妙な縁を結んだこと、聞いてないけど知ってるよ。ドーナツが好きなこと、教えたんだね。弟のこと、包丁を持つ理由…私だけが知る君じゃなくなっていく。
しゃがんでいた身体を無理矢理動かし、立ち上がる。向かうは2人がいるトイレ。辛いって知ってるのに日課だからと隠して通うのは、自分の首を締めているって分かってはいるけれど。
｢ねー、もっけ｣
私の近くにいたもっけを持ち上げ胸に抱く。
やめろ、と言うけどじたばたするわけでもなく離せと言うわけでもない。多分私に同情してるんじゃないかな、とか。
｢…あまねは、｣
私のこと、嫌いじゃないかな。
そう紡ぐ口を無理矢理閉じる。それだけは、そんな現実だけは嫌だ。期待もしないから、どうか嫌わないでいてほしいと願うのはわがままなのだろうか。
死んでもなお彼に固執する自分は大層醜くて。長年現れなかった彼のことが見える人間という存在が、こんなにも胸を締め付ける。
彼女のことが嫌いなんじゃない、ただ私の今までの彼の隣という立ち位置と、ちょっとの特別さがなくなっただけ。
｢可哀想だね｣
ヒュッと空気を飲んだ。
その声は張り詰めた冷たい空気に深く入り込んで、溶けて、調和して。冷酷な声に似合わないそいつの笑顔に反吐が出る。
｢源輝…！｣
｢今日は七番のところにいないんだね？ちょうどいい｣
カチャ、と彼が携えていた刀に触れる。
こりゃまずい。乾いた唇を舌で舐め、無理矢理笑顔をつくる。余裕なんてないけれど、せめて。
このまま戦うともなれば五分五分か、祓われるか。まあ別にそれでもいい。どうせいつかは成仏する、それがちょっと痛みを伴うだけだ。
…あまねとは、もう会えなくなってしまうけど。
｢ははっ、君ほんと嫌ァい｣
｢奇遇だね。…僕もだよｯ！｣
キン、とカッターと刀の擦れる音が響く。こんなカッターで追い返せるなんて思ってもないけど、私の武器はこれなので仕方ない。
…というかリーチの差で死にそうだ。
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蓮 - まめさん» ありがとうございます。好きと言ってもらえて嬉しいです。ミッドナイトは実は私も気に入ってるので嬉しいです。笑 引き続きよろしくお願い致します。 (2020年2月12日 0時) (
レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 初コメ失礼します！ ほんとにこの作品すこです、、ミッドナイト・メランコリックがほんとにすここです！更新頑張って下さい！ (2020年2月8日 21時) (レス) id: a5d55e68a9 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - みどりさん» 好きと言ってくださっただけでもとても嬉しいです。引き続きよろしくお願い致します。 (2020年1月30日 11時) (レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - すばるさん» 神秘的…初めて言われました。とても嬉しいです。引き続きよろしくお願い致します。 (2020年1月30日 11時) (レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
みどり - やだ好き(´∀｀*)ﾎﾟｯ←簡潔にまとめました( ｰ`дｰ´)ｷﾘｯ(簡潔にまとめすぎた) (2020年1月29日 22時) (レス) id: ae6be26781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2020年1月24日 19時
