あ ま ね く ん と ！【 地 縛 少 年 花 子く ん 】

ページ ページ16

．



｢別に俺はAがいればそれでいいっていうか。…Aが好きだから一緒にいるんだケド｣


｢えっ｣


｢あはは、ヤラシー意味だと思った？｣



うるさいなあ。
そう言い返すけど、否定しない自分が少し嫌だ。

そりゃあ幼馴染みと言えど男の子に好き、なんて言われたら期待してしまうだろう。
…私に経験が無さすぎるだけかもしれないが。



｢…好きだ、昔からずっと｣


｢な、にそれ…それも嘘？｣


｢Aが言ったんでしょ、青春したいって｣



紛らわしい！
そう言ってポカポカと背中を叩く。痛い痛いなんて笑っているけれど、ほんとに言われたほうは恥ずかしいし、期待だってしてしまうのだ。



｢ホントだよ！…む、昔からずっと…｣


｢はっ…！それも嘘でしょ！？｣


｢嘘じゃない…っ！ああもう！｣



ちゅ、と額に温度が伝わる。声にならない声がもれて、それからキスされた、なんて実感する。ぱくぱくと口を金魚ように開けて狼狽える。
どうして、そんな。



｢好きだ、A。…俺と付き合って？｣


｢なん、な…っ！｣



背景、友人様。
お元気ですか。彼氏さんとは上手くいっていますか。私は今、何年か越しの恋が叶いそうです。
敬具。



返事はお返しに、腕を引っ張って！

愛せよ乙女→←腐れ縁とは言いますが

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す