それでは桜の木の下で。 ページ11
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桜の木の下には死体が埋まっているという。それなら私の好きなあの人は桜の木の下に埋まっているのだろうか。
…なんて、死んだ後でも引きずっている。
未練たらしくこの学園、我が母校の地縛霊となってしまった私だが、どうすれば成仏できるのか分からない。別に留まってもいいけれど、どうせなら転生でもしてすべてまっさらに楽しく平穏な日々を送ったほうが幸せなのではないかと思うのだ。
そうしたところで私自身が幸せになれるかはわからない。まあこの想いを墓まで持っていったはずがまだ切り捨てられなかった結果なのだから仕方ないか。
桜の木の下、夕焼け放送が響く間にお願い事を言うと叶うという噂が流れている。
ただし人に関わる願いを言うと桜の木の下にいる誰かに殺されてしまうとか、なんとか。
｢お願いサクラさん！｣
さて、今日も誰かがやってきた。
白い髪、特徴的な足。顔はかわいい。
先輩と両想いになりたい、ね。できるなら叶えてあげたい。私だって好きな人がいる身だ、妬みより生者の幸せを願う。
…けれど、噂には逆らえないから。
｢ふふふ、ふふ、ねえ、あなた｣
｢え、えっ！？｣
小さく、けれど彼女に響くように呟く。彼女の背後からなにか気配がするけれど、これは。
｢桜の木の下にはなにが埋まっていると思う？｣
桜の花びらが舞い、彼女を包む。
腕を伸ばし、彼女の頬に触れ両手で挟んでよく見れば、彼女は既に涙目だった。…ああ、ごめんね。
｢出たね｣
彼女の背後から男の子の声が響く。…あの人によく似た、聞きたかったあの声が。
花びらを切り裂かれ、姿が顕になる。馴染みのある制服、学帽…会いたかった、その人。
目を見開く。ああ、なんで、あなたが。
｢あ、まね…、｣
｢！｣
会いたかった。会いたくて、会いたくて、でも会いたくなくて。あまねがまだここに留まっていることが嬉しいけれど、幸せになっていてほしかった。
私の知らない遠いどこかで、私の知らない誰かの隣に立っていてほしかった。
ああ、なんで。
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蓮 - まめさん» ありがとうございます。好きと言ってもらえて嬉しいです。ミッドナイトは実は私も気に入ってるので嬉しいです。笑 引き続きよろしくお願い致します。 (2020年2月12日 0時) (
レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 初コメ失礼します！ ほんとにこの作品すこです、、ミッドナイト・メランコリックがほんとにすここです！更新頑張って下さい！ (2020年2月8日 21時) (レス) id: a5d55e68a9 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - みどりさん» 好きと言ってくださっただけでもとても嬉しいです。引き続きよろしくお願い致します。 (2020年1月30日 11時) (レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - すばるさん» 神秘的…初めて言われました。とても嬉しいです。引き続きよろしくお願い致します。 (2020年1月30日 11時) (レス) id: 85c52fd00e (このIDを非表示/違反報告)
みどり - やだ好き(´∀｀*)ﾎﾟｯ←簡潔にまとめました( ｰ`дｰ´)ｷﾘｯ(簡潔にまとめすぎた) (2020年1月29日 22時) (レス) id: ae6be26781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2020年1月24日 19時
