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激下がりしたパラメータを戻してギルドへと戻ってきた。私たちはドロップしたケルベロスの頭(右)をどうしようか迷っていると、さとくんがいいこと思いついた、なんて顔をした。
「ね、カルナ。それ、俺にちょーだいよ」
『全然いいけど…どうすんの?』
「最近やり始めた友達に渡す」
『えっ。』
さとくんの顔がいたずらっ子みたいにニヤニヤしてる。
「そいつ天然だからさぁ。すぐ騙されるんだよね」
『怒ったりしない?その人』
「多少は怒るけど、本気では怒らないから大丈夫やろ」
ケルベロスの頭をさとくんに渡すと、笑いながらそれを仕舞った。
さとくんの笑い方って癖あるよなぁ。
「見て、カルナ」
『ん?…ふぁwww』
呼ばれてさとくんを見ると、ケルベロスの頭を被ったさとくんが私を見てた。何それ面白い。
(さとみくんが実況していたRaftのサメの頭みたいな。サメの口の部分である、唯一外をしっかり見ることが出来る部分はない、つまりお面?視界が狭くなってパラメータがかなり下がるだけの装備)
「視界狭くなってパラメータ下がるって最悪やんけ!」
『でしょ!?』
「でもまぁ、初期パラメータだったらまだプラスか…」
『考え方が酷い』
「www」
ふと、ログイン時間を見たらあっという間に1時間経っていた。
ゲーム内の1時間は、現実世界での30分ほど。当たり前のように現実世界の時間も進んでいる。
『さて…明日も早いしそろそろ終わるね!』
「おう、俺も明日は予定あるから抜けるわ」
『…次はいつやる?』
「そうだなぁ、多分明日は出来そうにねぇから…明後日かな」
このゲーム内で、現実世界の自分たちの話はあまりしてはいけない。だから、現実世界の私はさとくんの連絡先も、何も知らない。
次会う約束をするなら、ゲーム内で会った時だけなんだ。
『わかった、じゃあ明後日ね』
「おう、おやすみ」
『うん!おやすみ!』
ログアウトをタップすると、再び浮遊感。
次に目が覚めた時は、ベッドの上。
ゴーグルを外しながら私は考える。
現実世界の私は、可愛げも愛嬌も何も無い、ただのコミュ障女。せめてゲーム内だけでも可愛げも愛嬌もある女の子を演じたい。
そこまで考えてため息を吐く。
ここまでが私の日常なんだ。
さとくん…、本当は さとにゃ なんだけれど。
『さとくん…会ってみたいなぁ…』
こっちでもかっこいいんだろうなぁ、なんて。
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unknown - 初コメ失礼します。「にっこり^^調査隊のテーマ」ですよね!いい曲だから私も好きです! (2022年5月23日 21時) (レス) id: 0556fb53c6 (このIDを非表示/違反報告)
菜月(プロフ) - マメさん» そうです!にっこり調査隊です!!! (2022年5月13日 10時) (レス) id: 8b5c3e2bd3 (このIDを非表示/違反報告)
マメ - 最初の文章、ニッコリ調査隊のテーマじゃないですか⁉️ (2022年5月5日 17時) (レス) id: 1683d31495 (このIDを非表示/違反報告)
マメ - 最初の文章、ニッコリ調査隊のテーマに似てますねww (2022年5月5日 17時) (レス) id: 1683d31495 (このIDを非表示/違反報告)
菜月(プロフ) - ネコ日和。さん» あああああありがとうございますぅぅううぅぅぅぅぅう!!!!そう言って頂けるのは本当に嬉しいです……!!!!!!!! (2022年4月30日 0時) (レス) id: 8b5c3e2bd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜月 | 作成日時:2022年4月18日 14時