アオハル

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ゆっくり 近づいてきたその人は、
私と平野先輩を目の前にして
大きく溜息をついた。




「 ……… れ、ん 」

廉「 お前らそういう関係やったんや 」





嘲るように笑った廉は
顔が真っ赤で、
スウェット姿で、マスクをつけていて。




廉「 謝ろうと思って
お前の家行ったおれがアホやった？
紫耀の家行っとったんやもんな 」



咳き込みながら 話す。

私の中で。
ぷちん、と何かが切れた音がした。



「 キスされとったくせによう言うよな 」

廉「 ……… は？ 」

「 なに？自分はキスされてたくせに
私は 手を繋いだだけでそれなん？ 」

紫「 高橋さん！落ち着いて！ 」




平野先輩がすごく困っていて。


助けてくれたのに。

本当に 申し訳ないな、って。



でもその分 廉に対する怒りは増す。




「 キスされてたとこ見せつけられた
私の気持ちわかる！？ 」

廉「 じゃあお前も同じ事するんかよ！ 」

「 本当に嫌なら押し返せたはずやん！
…………… もういい、帰る 」






紫「 あ、ちょっ！ 」









振り返らずに、
走った。涙なんて出ない。






…………… 終わりだ。嫌われた。

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