検索窓
今日:3 hit、昨日:15 hit、合計:103,914 hit

19love ページ20

「…………ん、……っ……」


 
目を開けたその先に
映るのは、黒光り輝く満天の星達。


 
……いつの間にか寝てたんだ。


 

それにしても、こんな夜中まで寝てるなんて……。



一瞬星空に食い気味だったけど
後々周りを見ると本当に真っ暗で軽く身震いがした。




怖くて、拓弥先輩の名前を呼ぶ。

その時に感じた右手の違和感。





す…っと目線を下に向けると
拓弥先輩の細く綺麗な手と私の手が繋がれていた。




そう気づいたら、あの恐怖はどことなく

飛んで行った気がした。




暗い中でもはっきり分かる綺麗な顔立ち。
その寝顔も、星屑に囲まれて目を閉じる姿も
様になっていた。



 

不意に繋がった手を軽く握り返した。






………なんでだろう、この時間嫌じゃない。





初めて会った日の事、あれは最悪だった。
でも、気付かないうちに少しずつ拓弥先輩を

心から感じられてると思うんだ。






拓弥「………起きてたの………?」


突然声をかけられた事に驚いて
横を向く。




「………うん。あっという間だったな……、もぅ、こんな時間だよ?」


スマホを出して青く染まる周りをやけに
明るくする画面を見せた。


 

拓弥「………ほんとだっ…、…………んーぅ……」



時間を見るなり手を伸ばして
身体をほぐす。




「……か、帰ろうっ?……さすがに怖いわ。」


拓弥「……そ?」


 

 
そのまま立ち上がって屋上のドアを開けて
から何か違和感を抱く。



………なんだっけ…、


「…………あっ!……リュック…、教室だ…………、、、」



嘘、最悪。



夜の学校に居るだけでも怖くて仕方ないのに
教室まで行かなきゃなんて…、




本当、嫌だ。



拓弥「まじ?」


「…う、うん………」




ヤバい、震え、止まらない。

怖い、怖い………。


 

 
拓弥「…………はぁ、」


「…………えっ、」





拓弥「手、繋いどいたら怖くねぇだろ。行くぞ。」



 
 
そう言って引っ張られて
歩く私。



手を握られた瞬間震えがピタッと止まった。

びっくりするくらい。






また、同じ温もりが私を包んで暖かかった。

20love→←18love



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
322人がお気に入り
設定タグ:超特急 , 草川拓弥 , 小笠原海
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:れんちゃむ | 作成日時:2017年8月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。