俺の事嫌いなん…？ 2nd 〈Ren.N〉

no.84 ページ35

「でも、俺諦めたんですよ

　どうしてもAちゃんには届かないです

　Aちゃんと、廉に」



「は、はぁ…」


お母さんが突然真剣な表情になり紫耀君の話を聞く

お母さんは紫耀君が好きって言ったのに諦めたとか言うから困惑しているようだ


「俺、Aちゃんと廉が一緒にいるところ見ると幸せになれるんです

　だから、応援してください！

　Aちゃんと廉のこと！！」



一瞬頭がポカンとなってからすぐ我に返る


紫耀君も、熱弁していたけどハッとしてすぐ椅子に座り込む

廉君は口を半開きにしたまま紫耀君を見つめてる


肝心のお母さんは、私と廉君を交互に見つめて、首を縦に振った



「もちろん！！」


「さっすがお母さん！！」


紫耀君とお母さんは私と廉君を交互に見てうんうんとうなずいている

目を大きく開けて口角を上げてニコッと笑いながら


…私たちを見るのがそんなに楽しいのかな？



「あ！！！！」


「？？？」


楽しい雰囲気の中で、お母さんが急に真顔で何かを思い出したように叫んだ

廉君も紫耀君もお母さんをきょろっと見た


「A…、大事な話があるんだけど…」


「なに？」


お母さんは真剣な表情になる


「実は…、会社の海外出張が決まって、一か月帰ってこれないの」


「は、はぁ！？？ 一か月も！？」



お父さんは単身赴任で大阪にいるから今はこの家に私とお母さんの2人で住んでる

だから、お母さんがいなくなったら私は一週間1人で過ごさなきゃいけない



「それで、一か月も一人なのは寂しいと思うし、心配だから…

　おじいちゃんとおばあちゃんに頼もうと思ったんだけど、予定が入ってたみたいで…

　そこで、もし廉君と紫耀君がいけるならば頼んでもいいかしら…？？」



お母さんがそう問いかけると、廉君と紫耀君は目を見合わせ、ニコッと微笑んでから


「「はい！！」」


とお母さんに満面の笑みを浮かべて言った



…ということは廉君と紫耀君と1か月過ごすってこと…？？



あわわわわわわ…これはまたまたヤバすぎる展開に！


これから一か月どうやって生活していけば！

no.85→←no.83

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す