【歌い手】悪女屋さんーZweiー

#56☆ ページ33

ｶﾞﾗｯ




『あ...じゃぁ早速話しても、良い？』



空き教室に入り躊躇いがちに話す俺

美里チャンは気づいてないようだけど

此処はAが雅として依頼人に裏切られた場所

此処で俺はお前にお返しするよ



『....悪女屋の代金払ってないよね総額数十万超えの利息付き。
払って、くれるよね？』


美「勿論いいよ！..........え？」


何時もとは違う声、言葉

仕事用のとっときの声だ

今までで最低すぎるヤツらに最高の敬意を込めて突き落としてきた声

君にも捧げるよ

そしてニヤニヤとニタニタとドロドロしたような絡みつくような甘い声で囁くように話す


ありがとう、告白だと思ってくれて

ありがとう、今までで1番かもしれないくらい楽しいよ


『ああっ！返すって言ったねぇ....期限過ぎてるけどぉだいじょーぶ？』


わざとらしいピエロみたいな声

作っているようなでも心から楽しんでいるような全て置いて楽しんでいる顔で話す

勿論本心で楽しいと思っている

人の不幸は蜜の味と言うがどん底へ落ちた人間は蜜よりも甘く苦い


美「ちがっ、そんな事っ」

『んー？さっき、"勿論いいよ！"って言ってたよねぇ〜』

焦る美里の声を被せご丁寧に声真似までして話しかける

語尾にハートでも着きそうな程だ

自分でも分からないほど狂い始めているのかもしれない

そんな狂想と甘美に打ち震えながらも俺は言葉をつむぎ続ける


美「.......っあ...でも...」


『んー？』


そこまで嫌なのだろうか？

威圧をかけたつもりは無いが美里はガクガクと膝をふるわせる


もっと見たいなぁ


『それにさー君ってヤバいよねw』

嘲笑を含みながら俺は紙に書いてある罪状を読み上げる




『美里チャンの犯した罪はね、

規則第3条2節:悪女に対して契約以上のことを命令しないこと
規則第42条5節:悪女に対して座を勝ち取った後余計な暴力禁止
規則第50条3節:他人に対して上記49条のような事を一切命令しない

とかとか五〜六個ね！
それと君が犯した禁忌はー

禁忌一章2節:他人に悪女屋を口外しないこと
禁忌一章5節:悪女屋の代金及び前金を規則以内に収めること
禁忌一章6節:また5節が守られず利息が着いた場合最長3週間以内に払う』




美「っあ....払ったもん！前金なら払ったもん！！！3週間なら待つでしょ！何でなの？！嘘つき！！」

いきなりヒステリックになる美里

あーあいつも通りだなぁ

つまんないの

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