【歌い手】悪女屋さんーEinsー

#3 ページ43

目の前にはナルシスト系の男性


口々に遊ばない？とかかわいいね！とかホテル行こ？とかお世辞やらなんやらを並べ立ててくる


このままほっといてもらちがあかないので断ろうとしたとき


遠くから

セ「このアクセかいらしいなぁ！どこで買うたん？」


っていうセンラの声が聞こえて


あぁ、またかこまれて喜んで遊んで私のことなんて忘れるんだろうな


って思ったら

もう、どうでもよくなって


『いいよ』


っていっちゃった。


「うぉ！まじで！」

「っしゃー！今日はついてる！」

「やっは、この世の中はイケメンに優しいぜ！」


って喜ぶからたまには

センラを置いていってもいいよ、ね？


でも、男性の意見が纏まったらしくぐいぐいと手を引っ張ってくる

はっきり言ってめちゃくちゃ痛い

痕になってるかもなぁって考えてたら

また、強く引っ張られて


『きゃっ』


柄にもない声だしちゃって

生理的な涙が出てきちゃって


つまづいて、転ぶっ！？

ぎゅっと目を閉じ、衝撃に備えようとすると


フワッとした浮遊感と抱き止められた力強い腕

男性かなって思って期待と共に瞼を開くと


セ「ったく、気ぃつけろって何時も言ってるやないか」


女の子にかこまれていたはずのセンラが

そしたら、

「この子は俺たちが先に見つけたんだけど？なにとってんの？」

っていってきて、他の男性もそーだ！そーだ！って同意してきて

それじゃいこ？なんて臭い台詞と共にまた、引っ張られる腕

またじわっと涙が出てきたその時

セ「なに、センラの大切なひとに手ぇ出さんといてくれます？」


一気に真っ赤になる私と覚えてろ！って叫んで帰っていく男性たち

ほっとして足の力が抜け、ガクンと座り込みかけるのをまたセンラが受け止めてくれて

ありがと、っていう前に

セ「何でホイホイついていこうとするん？ただでさえ可愛いのに！！」

っていうから改めて自分の格好を見る

薄い黄色のワンピースにポニテ、琥珀色のネックレスをつけナチュラルメイクをしたこの私はそこまでお世辞とはいえかわいいと言えないと思う


ってことをセンラにいったら

センラは顔をふいとむけて

セ「俺に_____を守______せてや...」

っていってきた


『ごめ、もう一回言ってもらってもいい？』


セ「っ！..だーかぁーら、他の男に触られるくらいなら俺にしとき！言うてんの、分かれや馬鹿」

#4→←#2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す