信じない 3 ページ5
Aside
「雪野君！」
俺が登校していると10代目候補の沢田綱吉に話しかけられた。
「なに？」
(チョー不機嫌だー！)
なんて、沢田綱吉の心の声が聞こえたが、バレると後々面倒なので、スルーする。
「あ、あのね、リボーンが用があるらしいんだけど…放課後、時間大丈夫？」
少し戸惑いながら、聞いてくる沢田綱吉。
…暇だけどリボーンの野郎が呼んでるなら行きたくねぇ。
「興味ない。時間ない。面倒くさい。」
これは3分の2は本当だ。興味がないし、面倒くさい。時間がないは嘘だかな。
「五分でいいんだ！お願い！」
って言われても。てか表向きの俺は
「ていうかさ、誰？」
(そこからー？！)
沢田綱吉の心の叫びが聞こえた。
そして、ご丁寧に自己紹介をしてくる。
「オレは沢田綱吉。A組だよ」
知ってるよ。リボーンの生徒でボンゴレ10代目候補の沢田綱吉君。
そろそろ時間やべーな。あのがうるさくなる。
「そ。俺急いでるから」
「ま、まって…！」
沢田綱吉の止める声も無視して校舎に向かう。
しばかれるなんて知ったこっちゃねえ。お前のことなんか、どーでもいいね。
「今日の放課後中庭だから！時間ができたら来て！」
心のなかで、嫌だ、と返事をし、そのまま歩いていった。
「もー！遅いですよ、A様！」
昇降口に行くと、愛華が待っていた。
「しるか。厄介なのに捕まってたんだ。」
靴を履き替えながら、愛華に応える。
「沢田綱吉…ですか？」
こいつ…的確に当ててきやがった。
「お前見てたな」
「…なんのことですか？」
愛華の肩が跳ねる。
相変わらず俺に対して嘘が下手だな。
「俺が読心術を使えることを忘れてないか？いや、お前の事だ。忘れてるな」
「ひどいです！」
ひどい？違うな。
「人間に興味がないだけだ」
そうだ。ただ興味がない。それだけだ。
他人に興味を持って何になる。他人を信じて何になる。裏切られるだけだろうな。だから俺は、俺の道を進むだけだ。
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