標的33 ごめんな−２ ページ41
トーマ視点
｢生え抜きのヴァリアー隊を、一人で倒しただって！？
それに、学校の敷地は選りすぐりの術士によってカモフラージュさせていたんだ。
部外者が侵入して来られる事自体が可笑しい！
一体、一人でどうやって……！｣
｢俺は一人で来たのでは無い。
幻覚のカモフラージュを解いたのは、この子供だ｣
混乱するマーモンにランチアが答える。
ランチアは一体誰の事を指しているのかと思った矢先に、主君が「フラン！」と叫んだ。
そんな馬鹿な！
ボクは眠っている振りをしている事も忘れて顔だけランチアの声がした方へ向けた。
ランチアの後ろには、大きな林檎を被ったフランが立っていた。
恐怖からか、幻覚で創られた林檎は真っ青になっている。
ぷるぷると身体を震わすフランに、獄寺がイタリア語で訊いた。
「何故お前が此処にいるんだ」と。
｢目が覚めたら、麗羅がいなくて……。
麗羅から学校の話を聞いてたから、もしかしてって思ったんですー。
それで、人間に道を訊いて……。
麗羅は何処なんですかー？｣
きょろきょろとフランが辺りを見回すも、ボクがフードを被っている為に気が付けない。
その様子を見たら、胸が締め付けられた。
フランはまだ並盛に来てから一度も外に出ていないし、ボク以外の人間と話したのも数える程だ。
そんなフランが夜中の町を一人で歩き、言葉の通じない相手に道を尋ねると云うのがどれ程大変な事かは考えなくても分かる。
この場でフランの言葉が通じたのは、獄寺とボクの他には、ランチアとベルフェゴールとマーモンとザンザスだ。
言葉の意味が分からず黙っている主君達の中、ベルフェゴールが片手でボクを抱き寄せた。
もう片手にはナイフが握られている。
ベルフェゴールの意図を読み取り、ザンザスの横に立っていたマーモンが浮遊して戦闘態勢を取る。
其処で主君達も察し、各々の武器を構えた。
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
