標的24 告白と再会−３ ページ19
麗羅視点
フラン君の部屋は、あたしの寝室の丁度真上にある、別の寝室だった。
寝室と寸分変わらない、シンプルで殺風景な白い部屋に、大きなベッドが置かれている。
そのベッドに、フラン君は寝かされていた。
安定した寝息が聞こえる。
あたしはエメラルドの髪をそっと撫でた。
一緒にいた、まだ何も知らなかった頃は気にしなかった……と云うか、あたしもそうだったけれど、髪がとても傷んでいる。
無駄な脂肪も過度な筋肉も無い身体は、今にも壊れてしまいそうな程華奢だ。
それもそうだ、フラン君は一人きりで ずっと、山奥で生きていたのだから。
「本当に大切なんだな」そう云う山本君も優しい顔をしていて、あたしは少し照れながらも「うん」大きく頷いた。
｢名前は、なんて云うんすか？｣
｢フラン君って云うんだ。
フラン君とはね、物心付いた時から、ずっと二人きりで過ごして来たの。
なのに あたしは、この子を置いて一人で並盛に来た｣
あたしはフラン君の横に腰を下ろして、二人に『物語』以外の全てを話した。
ローシさんの事、雪シリーズの事、能力の事、フラン君と喧嘩別れした事。
同じ話を行ったり来たり、纏りの無い話だったけれど、二人は最後まで静かに聞いてくれた。
全てを話し終えた頃には、泣いてこそいなかったが、あたしは涙声になっていた。
両膝を抱えて、顔を埋める。
こんな筈じゃ、無かったのに。
｢フラン君をマフィアの世界に巻き込みたく無かった。
フラン君にはずっと、平和に生きていて欲しかった。
だから置いて来たのに、結局フラン君を巻き込んじゃった。
ずっと一人ぼっちで、淋しかっただろうに。
一緒に連れて来てあげていれば、こんな事にはならなかったのに……｣
フラン君が生きている事は嬉しい、再会出来た事も嬉しい。
でも、こんな再会は望んでいなかった。
それに、このまま永遠に起きない可能性もある。
起きたとしても、あたしの知っているフラン君では無くなっているかもしれない。
誰に、どうやって攫われたのかも分からないから、不安だけが積もり重なって行く。
ぽんと大きな手が頭に置かれた。
優しく撫でられ、徐に顔を上げると、山本君が柔らかい笑みを浮かべていた。
頭をそっと引かれ、包み込む様に抱擁される。
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
