標的18 明晩の戦い ページ2
トーマ視点
マーモンの幻覚によって六道骸の槍を壊された髑髏は、吐血してその場に倒れた。
靄が掛かっていた腹部は陥没し、髑髏の顔が土色に変色して行く。
幻覚で創られた内臓が失われたせいだ。
髑髏の身体が霧に包まれ、男の身体に変化して行く。
そして霧が晴れた時には、『六』と刻まれた毒々しい赤目をした男が立っていた。
｢クフフフ。随分と粋がっているじゃありませんか、マフィア風情が｣
「六道骸、」とボクは男の名を呟いた。
六道骸は振り向いてボクを視界に入れると、目を細めて口角を釣り上げた。
｢お久しぶりです。
舞い戻って来ましたよ、輪廻の果てより。
こうして直接会うのは初めてですね。
トーマ、でしたか？｣
｢久しぶり。可愛い君の髑髏に変な挨拶を教えたの、君だよな｣
｢はて、何の事でしょう。
僕には心当たりがありませんね｣
クフフ、と六道骸は愉快に笑った。
六道骸と髑髏は一心同体。
六道骸が創った幻覚の内蔵によって延命をする髑髏は、復讐者の牢獄の最下層に収容された六道骸が、現実世界で活動する為の媒介となる。
六道骸によって生かされる髑髏、髑髏の身体によって現実世界に来られる六道骸。
彼らは二人で一人なのだ。
リボーンの説明を、マーモンは信じなかった。
飽く迄も、六道骸は髑髏が創った幻覚だと思っているらしい。
マーモンが幻覚の氷河で六道骸を凍らせた。
髑髏には効いた幻覚は、六道骸には別の幻覚で跳ね返される。
どろどろと幻覚で汚染された世界の中で、二人の幻術士が互いに欺こうと幻覚を塗り重ねて行く。
その勝負に勝ったのは、六道骸だった。
｢この勝負の勝者はクローム髑髏とします｣
｢明晩は雪の守護者の対決です。
尚、雪の指輪はチーム全体の指輪の所持数には含まれませんので、勝敗に関係はありません。
詳しい説明は明晩に致します｣
「それでは」チェルベッロ達は姿を消した。
ファルソと目が合った。
明日はいよいよ、ボク達の勝負だ。
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
