【リボーン】純情クワドラングル (ページ24)

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標的９　小さな雪－５ページ24

麗羅視点

勢い良く投げ飛ばされる。

加速する落下速度と空気抵抗で目を瞑ってしまいそうになるのを堪えながら、空から突然降って来た子供に目を白黒させる二人組に両手の平を向けた。

身体の底から湧き上がって来る魔力(エネルギー)を具現化するイメージで。

｢氷魔法(マジーア・ギアッチョ)！｣

あたしが呪文を唱えると、ぶわっと両手から雪の死ぬ気の炎が放出された。

放出されたそれは瞬間的に幾つもの鋭い氷柱に変わり、二人組の手足や脇腹を、塀に縫い付けるように刺した。

氷柱は徐々に刺さった箇所を凍らせる。

悲鳴を上げる二人組を横目に、可憐に着地……出来ずに、お腹からアスファルトにダイブしてしまった。

あまりの痛さにその場でお腹を抱えて蹲る。

｢大丈夫っすか、麗羅さん！？｣

玄関から飛び出して来た獄寺君に抱えられる。

獄寺君は塀に縫い付けられた二人組に、「お前ら何者だ！」とがなり立てた。

鋭くなる碧眼が二人組を睨め付ける。

獄寺君の問いに答えたのは、何時から見ていたのかリボーン君だった。

｢緑色のおしゃぶりをしているアルコバレーノの一人、ヴェルデの差し金だな。
ヴェルデと云えど、光学迷彩が見えないと、部下に裏切られる可能性があるからな。
自分には見えるように、ある年齢以下の人間には見えるようにしてあったんだぞ｣

｢くそ、任務失敗か！｣

リボーン君に言い当てられた二人組は、悔し気に吐き捨てた。

二人組は、リボーン君が呼んだボンゴレの黒服達に連れて行かれた。

｢お前ら偉かったな。
麗羅の咄嗟の判断力と新たな能力、獄寺の適応能力は中々良かったぞ｣

ニッと口角を上げるリボーン君。

あまり人を褒めない、そして先日「足手纏い」と言い放ったリボーン君に褒められて、あたしと獄寺君は互いに視線を合わせた。

拳を軽くぶつける。

あたしが微笑むと、獄寺君も嬉しそうに含羞んだ。

小さくなってしまったのは予想外のアクシデントだったけれど、結果的には功を奏した。

この身体だったからこそ、撃退する事が出来たのだ。

(って、何時になったら元に戻るの――ッ！？)