【リボーン】純情クワドラングル (ページ19)

今日:7 hit、昨日:17 hit、合計:36,414 hit

標的８　初代雪の守護者－４ページ19

麗羅視点

指輪を暫く見つめていた山本君が、今度はあたしに視線を向けた。

｢麗羅はどうすんだ？｣

｢あたし？勿論、受け取るよ。
戦わなきゃいけないからね｣

｢そっか。なら俺も戦うぜ。
話よく分かんねーけど｣

｢え？野球は良いの？｣

｢野球も大事だけどさ、だからって此方を断る訳にもいかねーよ｣

「頑張ろーぜ」拳を翳した山本君に、あたしは戸惑いながらも拳を合わせた。

野球するのに、指輪は必要無いのに。

一度目は断ると思っていた山本君が最初から乗り気で、一体何の心境の変化があったのだろうと首を捻った。

同じく山本君が断ると踏んでいたらしいツナ君は、このままでは味方がいなくなってしまうと、必死になって二人を説得しようとしていた。

｢そんなの持ってたら大変なんだよ！
昨日のロン毛がまた狙って来るんだ！｣

ツナ君の発した一言で、二人の顔付きが豹変した。

きりりと眉を釣り上げて指輪を握り締める二人が考えているのは、唯一つ。

『打倒スクアーロ』だ。

二人は病院を飛び出して行った。

恐らく今日から授業は受けないだろう。

頭を抱えるツナ君と目が合う。

ツナ君は縋るような目をしている。

｢ロン毛を倒すなんて無理だと思わない！？
一緒に逃げようよ！｣

｢ごめんねー、ツナ君。
『雪』は負けられないんだよ｣

「一緒に頑張ろー」とあたしが言うと、ツナ君は遂に諦めて項垂れた。