【リボーン】純情クワドラングル (ページ16)

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標的８　初代雪の守護者－１ページ16

麗羅視点

何時もより早く目覚めたあたしは、早速ポストの蓋を開けた。

ポストの中には、キランと銀色に光る小さな物が入っていた。

小さな物を摘み、早朝のぼやけた太陽に翳す。

半分にされて歪な形をしている指輪には、雪の結晶が彫刻されている。

ボンゴレボスの守護者の証であり、トリニセッテの一つでもある、雪のハーフボンゴレリングだ。

指輪を握り締める手は喜びに震えている。

これが配られたと云う事は、あたしはツナ君の守護者に相応しいと認めてもらえたと云う事だ。

そうで無ければ並盛に来た意味が無くなってしまうのだが、この際そんな事はどうでも良い。

ツナ君や皆と一緒に戦う事が出来る。

その事実が嬉しかった。

指輪を嵌め、急いで身支度をしてリボーン君が待つ病院へと全力疾走した。

＊＊＊

『中山外科病院』と看板があるこの病院は、まだ廃業して間も無いと云う。

それなりに小綺麗なロビーに入ると、リボーン君が出迎えてくれた。

｢ちゃおっす。随分と早ぇな｣

｢嬉しかったんだもん。これが来た事が｣

指輪を嵌めた右手を見せると、リボーン君は「知ってた事だろ？」と言った。

確かに知ってはいたけれども、それでも嬉しい事に変わりは無いのだ。

そう答えると、リボーン君はニッと笑った。

「事情は分かってるな」と確認するリボーン君。

勿論、あたしは全てを知っている。

ツナ君と一緒にいた少年……バジル君は、ツナ君に偽物のハーフボンゴレリング――本人は本物だと思っていた――を渡す為に来日した。

其処で遭遇したのは、もう一つのハーフボンゴレリングを所有するヴァリアーの幹部・スクアーロさんだった。

商店街の爆音は、スクアーロさんとバジル君が戦っていた事が原因だったのだ。

スクアーロさんはあたし達の見た通り、バジル君から偽物の指輪を奪って行った。

しかし、本物はディーノさんが持って来ていた。

ヴァリアーが偽物に気が付き、来日して来ると思われるのは約十日後。

その間に、ツナ君を含む指輪に選ばれた八人は、ヴァリアーを返り討ちにする為の力を付けておかなければいけないのである。