【リボーン】純情クワドラングル (ページ13)

今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:36,420 hit

標的６　足手まといだ－２ページ13

トーマ視点

主君に手を伸ばす。

しかし目の前に剣先が現れて立ち止まる。

ボク以外の視界が開けたのはその後だ。

見えていなかった筈なのに、今ボクの鼻先に剣を向けているのは、紛れも無くスクアーロ。

「一体どうして、」ボクの口から零れた言葉に、スクアーロははっと鼻で笑った。

｢貴様は気配がだだ漏れだぁ、チビ！｣

剣が一度上げられ、ボクの頭目掛けて振り押される。

しかし、剣は振り下ろされる前に鞭で絡め取られた。

スクアーロと同時に鞭が伸びている視線を移す。

其処にはディーノとその部下達がいた。

「相変わらずだな」鞭の先を自分の手に戻して、ディーノがスクアーロに話し掛けた。

キャバッローネのボスが現れた事で、諦める素振りを見せたスクアーロ。

だが、スクアーロは主君がバジルから預かっていた黒い箱を奪って去って行った。

遠くからサイレンの音がする。

場所を移そうとするリボーンとディーノに、意識を取り戻した獄寺と山本が駆け寄る。

リボーンは、漆黒の瞳で二人を見た。

｢お前らの戦闘レベルじゃ足手纏いになるだけだ。
とっとと帰って良いぞ。トーマもだ。
判断は悪く無かったが、行動に切れが無かった。話にならねぇ｣

「行くぞ」主君の腕を引っ張って、リボーンはロマーリオの用意した黒塗りの車に乗り込んだ。

緊張の糸が切れて気を失ったバジルを抱えるディーノも乗り込み、車はあっと言う間に見えなくなった。

取り残されたボク達は全員、何も言葉を発する事無くそれぞれの帰路に就いた。