【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅵ (ページ10)

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標的63　黄のチョーカーをした猫－１ページ10

麗羅視点

「ひぎゃあああ！」真っ青な顔をしたＭＭが、悲鳴を上げてその場に倒れた。

彼女が口に咥えていた武器のクラリネットは、毒々しい色のポイズンクッキングと化していた。

あれは触れた物体をポイズンクッキングにすると云う、ビアンキの究極料理『千紫毒万紅』だ。

女同士の戦いの勝者は、金の亡者であるＭＭでは無く、愛に生きるビアンキだった。

ほっと胸を撫で下ろしている主君達の中で、ボクは次の刺客を探す。

すると、自分の存在をアピールするように、「にゃあ」と頭の上から猫の声真似をする男の声。

見上げるみると、樹の上に褐色肌の男がしゃがんでいた。

背中に届くミモザの髪に黒の猫耳を生やし、金色に光る猫目は楽し気に細められている。

黄のチョーカーを付け、黒曜中の制服を着崩している彼は、ＭＭと同じくリボーンが出した四枚の写真の内の一枚に映っている男だ。

だがしかし、ボクはこの男を知らない。

『物語』には記されていなかった。

距離を置き、武器を構える獄寺と山本。

ボクはと言うと、頭の中でローシさんに喋り掛けていた。

(誰だ、この男。何者？)

《オレにも分からない。
だが、『物語』を覆した男だ。油断するな》

「分かってるさ」ボクはペンダントを棍に変え、二人の前に出た。