【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅴ (ページ13)

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標的52　窃盗犯ページ13

麗羅視点

ツナ君達と別れて暫く、あたし達は色んな屋台を回っていた。

林檎を丸々一個使った林檎飴や、甘いシロップの掛かったかき氷に、ふわふわ雲みたいな綿あめ……輪投げもくじ引きもして、夏祭りを存分に楽しんでいた。

射的もしたかったのだが、黒スーツの赤ん坊に賞品を全部持って行かれたと店主が嘆いていて、泣く泣く諦めたのだった。

絶対にリボーン君が犯人だ。

射的の店主が嘆いていたのは、リボーン君のせいだけでは無かったらしい。

何やら、屋台の売り上げを強奪して行く窃盗犯がいるようだ。

膝から崩れ落ち、震えている店主を見た時は、京子さんとハルさんと顔を見合わせて合掌した。

次は何をしようかと周りの屋台を眺めていると、どんっ、と誰かにぶつかられた。

あたしのすぐ隣を、褐色の肌をした図体の大きい男性が走り去る。

腕には頑丈そうな箱を抱えていた。

「待ってー！」その少し後に、必死に人を掻き分けて追い掛けるツナ君が此方に気が付く様子も無く通り過ぎて行った。

｢ツナさーん！？どうしたんですかぁ！？｣

｢多分、さっきの人を追い掛けているんだ。
でもツナ君一人で……？｣

はたと、まさか今店には誰もいないのではないかと云う考えが頭を過ぎる。

京子さんへ綿あめを預け様に、あたしは二人に向かって叫んだ。

｢京子さんとハルさんは、ツナ君達の屋台に戻って！｣

｢麗羅ちゃん！？麗羅は何処に行くの！？｣

｢ツナ君を追い掛ける！
あの窃盗犯、手慣れてる風に見えた！｣

人込みに紛れて見失わないよう、注意深くツナ君と窃盗犯を睨めつけながら追う。

そうして辿り着いたのは、神社の賽銭箱の前だった。