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標的16裏 ヴァリアーと出立−２ ページ46
早く会いたくて、朝早くから姫の部屋に赴いたが、姫がいなかった。
上がっていた気持ちが急激に下がった。
ただひたすら、『会いたい』と思った。
スクアーロなら何か知っているかもと部屋に行ったら、スクアーロが姫の頭を撫でていた。
スクアーロは気持ち悪いくらい和やかで、姫も手名付けられたみたいに嬉しそうだった。
何とも言えない空気が漂っていた。
「撫でられて気持ち良かった」、と姫に言わせたスクアーロに殺意が湧いた。
俺はナイフを投げたせいで怖がられたのに、スクアーロに先を越されて堪るか。
俺が姫といちゃいちゃ したかったのに。
姫はどうしても日本に行くと言う。
淋しくなって、俺は姫に抱き着いた。
昨日、ヴァリアーのシャンプーを使ったからか、俺とお揃いの匂いがして、これまた嬉しくなった。
紅潮しながら、上目遣いをする姫。
厭らしい笑みが零れた。
ジェット機が見えなくなるまで、俺はずっと見送っていた。
もう姫と会えないと思うと、胸が締め付けられるように痛くなった。
酷く切ない気持ちになる自分に、戸惑う。
嗚呼、早く姫と会いたい。
飛行機雲が残る大空は、青々としている。
この空は、姫と繋がっている。
日本に繋がっている。
(色々終わったら、日本に行って姫を連れ来ようかな)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2018年3月14日 14時
