標的12 王子様と物語−１ ページ31
麗羅視点
驚異的な速さでページを捲って行くあたしは、とあるページで手が止まった。
そのページには、『暗殺部隊ヴァリアー』の事柄が書かれている。
イタリア最大のマフィアグループ・ボンゴレファミリーの闇の部分。
その幹部の名前には、二代目剣帝ことスクアーロさん、切り裂き王子(プリンス・ザ・リッパー)ことベルさん、自称ヴァリアーのマンマことルッス姐さんの名前があった。
此処は暗殺部隊の本拠地。
あたしは丸腰の状態で、幹部の人達の輪の中にいた。
他にも、この城には柄の悪いらしい隊員もいると云う。
｢あたし、もしかしなくてもピンチ？｣
ルッス姐さんは温厚に見えるけれど、死体愛好家(ネクロフィリア)と云う、どうしようもない欠点があるらしい。
スクアーロさんは常識人だけど、そう云えば初対面で剣を突き付けられて殺されそうになった。
そしてベルさんは拉致＆頭を切り刻みたい発言がある。
ぶわ、と全身の産毛が逆立った。
このまま此処にいれば、何かの拍子にあっさり殺されそうだ。
他にも幹部が、何より『クソボス』さんがいる。
｢どうしよう、色々とどうしよう｣
｢何がどうしようなの？｣
｢どわぁああああ！？｣
すぐ目の前からベルさんの声が聞こえ、思わず絶叫しなら物語を放り投げてしまった。
ベルさんは自然な動きでそれをキャッチし、なんて事だそのまま物語を開いてしまった。
自分の死を覚悟した。これは確実に殺される。
心臓がドキドキの擬音語では表せない程ドキドキしている。
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作者名：レイチェル | 作成日時：2018年3月14日 14時
