金華の香に当てられて【kym短編集】 (ページ3)

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「そうです、ただの嫉妬ですよ。悪いですか？」

拗ねたように反対側を向く目黒が愛おしくてこっちが頭おかしくなりそう。

だってこいつ可愛すぎじゃない？

どんだけ俺のこと好きなんだよ～！なんちゃって！

『ふふ、そんな心配しなくたって、俺のあれより凄い声も姿も知ってるのは目黒だけでしょ？だから拗ねないでよ』

ちらりとこちらを見て、じゃあと口を開く目黒。

「家に着いたらもっとえろい声いっぱい聞かせてくださいね」

少しくらいオブラートに包んだ言い方してくれよ、と思いつつ『はいはい』なんて簡単に了承してしまうあたり、俺も相当目黒に甘いらしい。

「一件落着したところでおかえりのキスしましょう」

『え、だめ。』

スッキリした表情で告げられた言葉を拒否すると「なんでですか」と目を丸くする目黒。

『さっきしてくれなくて普通に悲しかったから今日はもうしませーん。』

散々ドキドキさせられたからちょっとした仕返しのつもりで言ってみただけなのに。

「ふーん、よっぽどいじめて欲しいみたいですね。家帰ったら覚悟しててください」

なんて言ってニヤリと笑う目黒に若干の恐怖を感じたけど、心のどこかで期待してしまっている自分もいた。

END