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第122話:露見 ページ24

??)「え」
『っ!?誰!?』
私は思わず自分でも驚くような声で叫び、ドアを凝視する。
声の主は分からない。
驚きすぎて、その声が誰の声が私には分からなかった。
美)「…どういう事ですか。まだ面会時間ではないはずですよ。…ジェルさん。」
美希の言葉に、観念したのかゆっくりと開かれるドア。
ジェ)「っ…ごめん、」
『っ!…どこから聞いてたの、答えて!』
気まずそうに下を向くジェル君に、私は質問をぶつける。
ジェ)「…看護師さんが出ていってすぐ、や。」
つまり、最初から…!?
ジェル君の答えに、私は胸が苦しくなる。
ドクドクとうるさい鼓動。
鼓動がうるさくなる度に、フラッシュバックする嫌な記憶たち。
ジェル君の言葉が引き金となって、私は過呼吸に陥った。
『ハァハァ…!!』
美)「っ!?まずい!」
美希が何か言っている。
分からない、いや、そんなことはどうでもいい。
私は、過呼吸をなんとか押さえ込んで、呟く
『…て…』
ジェ)「え?」
『出てって!!今すぐ!!』
2人を睨みつけ、私は叫ぶ
美)「っ…わかった。行きましょう、ジェルさん」
私の様子から、何かを悟ったのか美希は素直に応じ、部屋を出ようとした。
ジェ)「けどっ…!」
美)「行きますよ!!」
ジェル君は、一瞬戸惑ったけれど美希の有無を言わせない様子から、渋々応じてくれた
2人が部屋を出るのと入れ替わりにやってきたのは、看護師さん
看)「どうされました?!」
『っ…あ、あぁ…!!』
二人が出て行ったことで安心したのか、私は再び過呼吸に陥る。
看)「!大変!!先生!!」
いや…過呼吸だけじゃない、胸がっ…苦し……!!
あまりの痛みに、視界が滲むのが分かる。
『っ…』
看)「大丈夫ですから!落ち着いてください!!」
意識を手放す直前に見たのは、看護師さんの慌てる様子と、その奥にあるテーブルに置かれた…1台のパソコンだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ジェルside
ジェ)「っ…」
愛希の病室の辺りが騒がしくなったのを聞きながら、俺は顔を歪ませる。
なんでや、なんで…!
そんな大事なこと、話してくれなかったんや
俺は…俺達はそんなに信用されてないん?
様々な疑問が浮かび、自己嫌悪に陥る。
美)「…ジェルさん、本当に話さないでくださいね。」
俺の表情が険しかったからか、美希ちゃんが念を押すように俺に言う。
その声は、震えていて、何かを怯えているみたいだった

第123話:もう疲れちゃった→←第121話:美希の推理。



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ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2022年8月26日 10時) (レス) @page21 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほりはる | 作成日時:2022年4月11日 8時

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