歌い手とシェアハウスと秘密...3 (ページ11)

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第109話:捜索計画ページ11

天月side
その後の行動は早かった
最年長のそらるさんが中心となり､テキパキと指示を出していく｡
そ)「俺とまふ､うらさか､ミムさんと天月のペアで探そう｡でも、TOUYAさんがここに来る可能性も考慮して､坂田､しませんに連絡して。ここで待機してもらいたい｡」
坂)「は､はいっ!」
そ)「ミムさん､俺ら以外にTOUYAさんを探してる人は?」
ミ)「すとぷりの皆さんです｡こちら同様2人1組で探しており、うち2人は､シェアハウスにて待機しています｡」
坂)「終わったで！電話したら､すぐ来るって！」
そ)「了解。ということは､2×5で10人か｡了解｡あ､ミムさん､もう一つ質問｡TOUYAさんが居そうな場所は何ヶ所?」
ミ)「9箇所です｡自宅付近､ここ近辺､シェアハウス付近､〇〇公園､通学路、学校､病院､2人の友人の家です｡」
そ)「じゃあ､それぞれのペアはそこを当ってもらおう。通学路は範囲が広いだろうから､ふたつのペアで｡」
全)「了解!!」
僕は正直、舌を巻いた
そらるさんの指示の的確さといい､スピードといい､僕らは返事をするだけで精一杯。なのに､美希は叔父さんのところで慣れたのか動きが素早い｡
美希も知らない間に成長してるんだなぁ｡
僕が感嘆にも似た視線を美希に注いでいると､インターフォンの音が聞こえた｡
«ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ,ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝ»
天)「は､はーい」
ピンポンダッシュのような五月蝿さに､急いで玄関の扉を開けると､びしょ濡れ状態で息を切らしている2人の姿があった｡
天)「っ!?だ､大丈夫?!」
志)「俺らはええねん…」
セ)「僕らのことより､愛希さんの方が心配だし…」
坂)「あっ!!まーしーにラマン!風邪ひくで?!急いで来いって言った俺が言うのもアレやけど!」
天)「ちょ､誰かタオルと暖かい飲み物2つずつ持ってきて!」
流石に風邪をひかれたら困る｡
とにかく体を冷やさないようにしないと｡
セ)「ええって!良いから､探しに行かんかい！」
天)「でも…」
僕が反論しようとしたが､代弁する声が隣で聞こえた
ミ)「そういう訳にはいきません。どうぞ､タオルです｡暖房も10分ほどで起動するようにしておきました｡」
志)「ミムさん…」
ミ)「志麻さん、コラボありがとうございました。そしてセンラさん､明日はA社との商談があるはずです｡その契約を取っていただかないと困ります｡」
セ)「え､美希さん…?」
美希の行動や言動には､ここにいる全員の不安と恐怖を溶かすような確かな優しさが感じられた｡