第99話:2年前の出来事 ページ1
美希side
2年前のあの日の事をうちは、鮮明に覚えている。
当時、仲の良かった友達と中学から離れ離れになることを悲しんでいたうちを気にかけて景子叔母さんは、隣町の大型ショッピングモールに連れて行ってくれたのだ
姉ちゃんはその日、部活でおらず景子叔母さんから
景)「叔母さんと美希ちゃんの2人だけの秘密だよ?」
という言葉と共に唇に人差し指を立てられて、ウキウキした気持ちで出かけたことを覚えている。
元々景子叔母さんは、忙しい両親に代わって面倒を見てくれる育ての親のような存在だったから、うちは勿論、姉ちゃんも景子叔母さんに懐いていた。
そのせいもあって、あの出来事は心にとても深い傷を負わせたんだ。
ソレは、ショッピングモールを一通り満喫して夕暮れ時になった頃の出来事だった。
景)「そろそろ帰ろうか。」
優しい景子叔母さんの声に促され、うちは名残惜しさを感じながらも渋々、車を停めたショッピングモール向かいの駐車場に向かったのだ。
ショッピングモールの前はどこも大通りに面していて、車の通りが多く、危険なことも知っていた。
そのはずなのに、うちはあろうことか景子叔母さんに買ってもらったイヤフォンを早く試したいがあまりに、ショッピングモールを出る直前にイヤフォンをつけ、かなりの音量でヒカリユメを聞き出したのだ。
ショッピングモールから駐車場までの約5分間、うちはヒカリユメを聞くことに夢中で、前を見ることはおろか景子叔母さんの声でさえまともに聞いていなかったんだ。
そんな事をしていたからバチが当たったんだろう。
景)「美希ちゃん!!」
一際大きな景子叔母さんの声が耳元で聞こえた途端、ドンッという鈍い衝撃と共に、うちは宙を舞った。
--------キリトリ線--------
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2022年8月26日 10時) (レス) @page21 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほりはる | 作成日時:2022年4月11日 8時