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弐拾参ーこの半年。 ページ10

山谷「はは、さすが最強の術式持ち。

自信満々(笑)。」



『…自信があるから言ってるんじゃない。
私はいつも間に合わないから、せめて敵に負けたくないんだよ。
殺されるのはお前の方だ。』



山谷「そう言われると尚更、殺し甲斐がある。
〈短剣〉

…この量、捌けるか?」

奴の周りに浮かぶのは、沢山の短剣。
あらかじめ作っていたのか。



『やるしかないでしょう。』

腰に着けている二本の剣を両手で握る。
後ろの3人を、必ず守る。



〈バババババ…〉



山谷「流石だけど、いつまで耐えられる?」

途切れなく飛んでくる短剣を弾き飛ばす。



『決まってるでしょ。

…お前を倒すまで!』

そうは言っても、これらは時術式に耐える。
って事は、時を止めても影響を受けずこの攻撃は続く。
つまり、術式を使う意味がない。



山谷「まだまだ!!」

飛んでくる量が増えた。



『(仕方ない。)』




修哉〈実は呪霊になってから、人や自分を瞬間移動させられるようになったんだよ。〉

《すごい!!》

修哉〈時術式を封印した代わりに手に入れた力なのかな。〉


《…それを使って旅行してたのね。》

修哉〈正解。まあ、私が行った事がある場所と、目に見える場所にしか、移動出来ないんだけどね。〉




『修哉さんっ!!』



修哉「どうした!」



『10秒だけ、2人を頼みます!私を移動させて!!』

左手に持っていた剣を彼に渡し、右の剣のみで3人を守る。



修哉「わかった、任せろ!!」




〈パチン〉


刹那、私は奴の背後に移動していた。剣を鞘に納め、右手を握り締める。



『【黒閃】!!』

背後から山谷の右肩を殴る。



山谷「ぐぁっ!!」

その右肩は吹き飛び、術式が途切れて剣の嵐は消えた。



『はぁ、久しぶりにヒヤヒヤした。』

黒閃久しぶりすぎて出来るか不安だったし。
山谷は気絶したみたい。そりゃそっか。



修哉「大丈夫?」



『大丈夫だよ。ありがとう、2人を守ってくれて。
私が行きたかった位置にちゃんと移動させてくれたし。』

何も言わなかったのに。



修哉「あの状況では、背後から狙うしかなかったからな。
こちらこそ、久しぶりに剣を振るえて楽しかったよ。」



虎杖「Aさんもこの人もすげぇ!!」

悠仁くんの声が弾んでいる。



東堂「五条悟と同じく、規格外だな。」

東堂先輩は、拍手を送ってくれる。



『ありがとう。でもまだまだだよ、兄さんには敵わない。

…さあ、帰ろう。』

弐拾肆ー無茶しないで。→←弐拾弐ー術式開示。



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作者名:澪花 | 作成日時:2021年1月7日 19時

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