何もない日常に【SN】3 (ページ7)

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「ねえねえ、照」

「何？」

帰り道、ラウールが言う前からちゃんと家まで送って行ってる。まだこの時期は明るいが一人で帰らすのは危ないのを分かってるからこそ。

そんな帰り道、佐久間ポソッと呟いた。

「阿部ちゃん、ふっかの事好きになっちゃったのかな…」

「……」

最近の二人を見れば周りはそう思っても可笑しくはない。

「私の事、飽きちゃったのかなぁ」

「それは無いだろ」

「でも最近LINEの返信も遅いんだよね」

「…俺もだよ」

何かしら理由をつけては、遅れて返信をするようになってしまった。

「あーあ、大会近いのに誘えないじゃーん！」

「だなぁ」

大会も1週間がきった。予想だけど、大会が終われば元に戻るんじゃないかと簡単に思ってたりはする。
佐久間の家の近くまで歩いて来た時に、ふと見たら埃らしき白い物体が佐久間の髪に付いていた。

「佐久間、じっとして」

「んーなになに？」

髪を触っては、白い物体…埃を取ってはすぐにパッと捨てた。

「埃、ついてた」

「まじー？ありがと！」

「ひか、る……？」

この時誰かに見られてるなんて今の俺達には思いも思わなかった。