何もない日常に【SN】3 (ページ5)

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「なあ、阿部」

「なに？」

授業も終わり、帰宅する人は帰宅するし部活行く人は部活しに行く人で別れるこの時間帯。部活行く前に、俺は照に止められた。

まあ、なんで止められたかなんて想像つくけど。

「最近ふっかと帰ってるって本当か？」

「本当だよ」

「なんで？」

なんで、なんて言えないでしょ、こんな理由。
「照に嫉妬してました」って言えない、親友だよ？言えないよ。

「なんでって、そんなの理由居る？俺が一緒に帰りたいだけ」

「…は？」

低い声。ホントにふっかの事になると怖いんだよね、でもね、今回ばかりはふっかの味方だから許してね笑

「別に良くない？誰と帰ろうが」

「本気で言ってる？」

「本気だよ」

俺も結構言い方は変えるけどストレートに言うタイプ。
空気感最悪って時に「照ーーー！部活行こーーー！」と佐久間が2年の教室に入ってきた。

「あれ、阿部ちゃん…？」

「じゃ、お疲れ。部活頑張って」

醜い嫉妬だなぁ、なんて。でもこの思いはふっかも同じなんだろうと思うと、仲間が居るみたいで、少しは平気だった。

この日、初めて俺は佐久間を気にしずに素通りした。