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結局、追いかけっこは惨敗、負けるわ、そりゃあ。
現役ダンス部レギュラーと元女バスレギュラーの差よ。

翔華には申し訳ない程度に「捕まった行けない」と一言。


「ねえ、辰美、お願い話聞いて」

「やだっ」

「いいから!」


逃げれない様にと、強く抱きしめる彼の腕の中で私は渋々諦めて大人しくした。


「1つずつ、答え合わせさせて」

「…」

「ずっと嫌だったんだろ?俺と佐久間の距離感」

「ん」

「去年から我慢してたんだろ?」

「…うん」

「きっとお前の事だから、そんな事言ったら空気悪くなると思って言わなかったのはすぐに分かった」

「当たり前じゃん……」

「俺は言ってくれた方が嬉しいんだけどなぁ」

「…」

「まさか頼るのが俺じゃなくて阿部なのも俺は許せないな」

「…阿部ちゃんは気持ち分かってくれてたもん」

「それはゴメン」

「ん」

「後さ、俺してないからな」

「…でも見たもん」

「埃が付いてたから取っただけ」

「…信じられない」

「なら佐久間にも聞く?」


って聞く割には答えさせてくれない。私の答えを聞かないまま、電話し始めて、「ほら」ってスマホを渡してくれた。

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作者名:レイ | 作成日時:2022年7月25日 8時

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