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胴着 ページ20

「…人のもん勝手に持ち出したらアカンて習いませんでしたー?」


再び面を被ろうとしていた時、聞こえた声。


「男相手に試合して、怪我でもしたらどうすんねん」


「おはよう色黒」


「誰が色黒や。色黒やけど」


「足大丈夫なん?」


「階段から落ちた分は大丈夫やて」


「…他に何かあるん?」


「この前の事件で犯人に蹴られた」


「へ?そんなん初めて聞いたで?」


「当たり前やろ、黙ってたんやから。とりあえず早よ着替えろや。後は俺がやるか、」


「足、見してみ?」


「は?」


「ええから、足」


真剣に言うAに平次は渋々とズボンの裾を捲り上げた。


「…うっわ、」


テーピングで固定されているにも関わらず腫れてしまった足首。


「こんなんで試合無理やって」


「大丈夫や。痛くも何ともあれへんわ」


「アカン。あんたが良うても私がアカン」


「俺の勇姿楽しみにしとる奴らもおるやろうし、ちょっとくらいは活躍見したらんとな」


その言葉にAの表情が変わる。


「…どーせろくな奴ちゃうからええやん」


小さな溜め息。


「ほら、とりあえず胴着…」


「あ、服部先輩!」


駆け寄って来たのは先程と同じ数人の女子生徒。


「さっきなんで急におらんくなったんですか?…あれ?何で胴着着たはらへんの?」


「若葉先輩、何で服部先輩の胴着…」


女子生徒の声が低くなった。


「あーそれは…」


「平次、行こ」


そっと制服の袖を掴む。


平次は何かを察したのかその手を引き足を進めた。


「服部先輩?」


「スマンな、用事思い出したんや。ほな、」


ヒラヒラと手を降りながらその場を去る。

最悪や、


Aは気まずそうに視線を逸らした。


「何かあったんか?」


「別に、何も」


「…あっても言うような奴ちゃうもんな、お前は」


優しく頭を撫でられる。


「また、気ぃ向いたら言えや?」


「…偉そうに」

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- 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2023年4月11日 0時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
- 何度も続けてのコメントですみません。。。 またNGワードに引っかかってしまったので○表記にさせていただきました。 (2023年4月11日 0時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
- ままたまた続けてのコメントですみません。。。 2枚のチケットのここの台詞 「 ○○−○−に困ってます、助けてください、を身代わりになって秒○する女嫌やわ」 ここの、助けてください、の後って何か入るのでしょうか? (2023年4月11日 0時) (レス) @page32 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
- また続けてのコメントですみません。。。 NGワードに引っかかってしまったので○にさせていただきました。 すみません。。。 (2023年4月11日 0時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
- また続けてのコメントですみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 平和とはのここの台詞 「警察呼んだらこの女○すで!ええから大人しい言うこと聞け!」 これ正しくはええから大人しくではないんでしょうか? (2023年4月11日 0時) (レス) @page28 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rei | 作成日時:2020年3月19日 3時

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