【HQ】恋は盲目【影山飛雄】

9.100%の信頼 ページ9

ーーピピーッ

試合内容は紆余曲折がありながらも、最終的に影山の高い技術で、影山を100%信じて飛んだ日向の天性のスピードとバネを完璧に活かして試合をリードをし、そのまま終了。
セットカウントは2-0で日向・影山チームが勝利した。

『月島くん、山口くんお疲れ様！』
「Aさんありがとー、負けちゃったけどね」
『でも、いい試合だった』
「どこが？」
『いい試合だったよ』

怪訝そうな顔をしながらも、「どうも」と言いながら差し出したスポーツドリンクを受け取る月島に、素直じゃないなぁと肩をすくめる。

『あと、あの子！めっちゃいい子じゃん、日向くんだっけ？』
「は？君の趣味マジで理解できない」
『とか言って、月島くんも途中からマジになってたし』
「君の目は節穴ですか？」
『だって、自分を信じてくれる人が一人でもいるって、それだけで心は軽くなるものだよ。家族ですら、100%信じるなんて普通できないじゃん』
「…」
『日向くんはそれができてる。それだけで信用に足る人物だと私は思うけどな』
「月島！」
「？」

日向から月島へ勢いよく差し出された手に、その手を見ながら全員の頭にハテナマークが浮かぶ。

「…何？」
「試合の最初と最後に握手すんじゃん、今日の最初はしてないけど。それにこれから仲間だしっ、嬉しくねぇけどっ」
『ふっ、早くしてあげなよ、ほら〜』
「Aさんウザいんだけど」
『じゃあ私が握手しちゃおうかな？』
「えっ！？えぇ！！？」
『私、A A。よろしくね日向くん』
「あ、あああ、ハイ、ヨロシクデス！！！」
『ついでに月島くんも、はい、ほら握手〜！』
「！？」
「ツッキー！？」

握手をしている日向の手を掴んだまま、不意打ちで隣にいた月島の手に無理やり繋げ、衝撃で声が出ない二人に対し、してやったりと笑みを浮かべるのだった。

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