26.完全体 ページ26
「いや〜、よくわかんないけど青春だったな〜」
「“トスを呼んでくれエース！”とかね〜！青春いいね〜」
「“俺がいればお前は最強だ”とか言ってみてぇ！高校生カッケェなぁ」
「「…」」
『ふふっ、ちゃんと格好よかったですよ。はい、西谷先輩も影山くんもタオル』
「か、かっこ…いい…っ！？Aさんが、俺に…！？」
「…あざす」
『うん、やっぱり格好いい』
「？」
町内会チームの人たちから熱くなって飛び出た名言たちをいじられ、少し恥ずかしそうに頬を染めながら、なんとも言えない表情で口を噤んでいた二人をフォローするようにタオルを手渡す。
この距離感で改めて影山の表情をまじまじと見て、やはりタイプだなとしみじみと感じる。
「集合ー！！」
「…とにかくレシーブだ！それができなきゃ始まんねぇ、明日からみっちりやるからな！」
「「あざしたー！！」」
「おう、ストレッチサボんなよ」
「片付けも急げよー！」
「オース！」
鵜養コーチを取り囲むようにして総評を受けている皆の後ろ姿を見ていると、少し前と違って増えた人数に、変わった空気感。
これが烏野高校男子バレーボール部の完全体なのかと、早く完全体での試合が見てみたいと、胸が躍るのを感じた。
「何ニヤニヤしてんのさ」
『私ニヤついてた？』
「嬉しそうだよAさん」
『うん、嬉しいからね。…部活って、楽しいね』
「…たかが部活でしょ？さっきので、青春病がうつったんじゃないの」
『でも、こんなに部活が楽しいって気付けたのは、山口くんと月島くんがあの日誘ってくれたおかげだから。二人ともありがとう』
「そ、そんなっ！俺もAさんがいてくれて嬉しいよ！」
「別に僕は誘ってないけどね」
『こんな美少女に感謝されてるのに、月島くん素直じゃないなぁ〜』
肘で月島を小突きながらケラケラ笑うと、面倒くさそうな表情を浮かべる月島に、そんな月島とAを見ながら笑っている山口。
二人が同じクラスで、本当に良かったなと心から思うのだった。
「Aちゃん、ちょっといいかな？」
『はーい！あ、一緒に帰ろうね！先帰らないでね！』
「…はいはい」
「Aさん後で部室でね〜」
こうしてバラバラの状態だった烏野高校男子バレーボール部はようやく完全体となり、GW合宿が始まるのであった。
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るき(プロフ) - 累さん» コメントありがとうございます。応援していただけると筆が進む気がします！またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 23時) (
レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
累 - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました！更新大変だと思いますが、続きを楽しみにしています！！ (3月16日 22時) (レス) @page16 id: 5643604c2b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - 狛さん» コメントありがとうございます。まだ全然キャラたちと絡むことができず焦っております…笑 またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 15時) (レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - 題名見たとき「お、恋愛もんもんって感じするな〜」って思ってたら夢主ガチで面白いです(笑)キャラとの絡みが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (3月16日 12時) (レス) @page16 id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - ちびさん» コメントありがとうございます。とっても励みになります！ぜひまた覗きに来てくださいね。 (3月15日 18時) (レス) id: 6fb8554a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るき | 作成日時：2024年3月12日 21時
