37-空チワワ ページ37
女みたいなやつだとは思った。顔を合せる度に女顔だと訂正して、イキっていた警邏部隊のあいつ。まさか本当に女だったとか。
グルッペンに招集されて、正式な就任式前の顔合わせという事で会議室に集まった俺等と、少し居心地の悪そうなバグローヴィ。
「バグローヴィはチーノの隣に。今日は甘味長は不在だからな」
「日光浴できてないみたいやし、正式なモンでもないからな」
居心地の悪そうなまま、席について、会議の開始を待っている。チーノの絡みに答えず、数人の視線をものともせず、ただ、居る。
「おい、お前本当に女やったんやな。家の都合で男になってたんやろ」
「軍医様、どこまでお話になられたんですか」
「全部だよ。黙っている意味も無い。後で個々に聞かれるのも面倒でしょ」
見開かれた黒い目は俺の方ではなく、ぺ神の方に鋭い視線を送っている。決して穏やかではない空気に満ちた。会議を始めようとしていたトントン達の手が止まる。
「同情を売りたくないだけです」
そう、短く吐き捨てた。
「女だろうと男だろうと、グラナートの実力でしょ。手合わせしてるから言うけど、正直いつもギリギリなんだよ、俺」
「ひとらん様には、いつも一本を取られます。自分の力不足です」
ひとらんはお世辞を言う奴やないから、かなりの実力持ち。まぁ司令官なら当たり前か。伊達に警邏部隊やってないわな。
「バグローヴィ、バグローヴィ、コネシマさんツンツンしてるけどな、バグローヴィのねーちゃん達に対して“あいつは、この軍の中で誰よりも漢です”って言って黙らせてたっすよ」
「ショッピお前何バラしてんねん！！」
「やっぱあの“ひとらん庭事件”が効いてんじゃね？」
「あぁ、シャオロンさんと内ゲバして止められて引っ叩いたというアレですか」
「シッマ、乙女の柔肌に傷つけたん？無いわぁ〜」
えぇい、やかましい！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - ミツユキさん» 誕生日プレゼントとしてもう一話更新しました！大きく動いた回(?)となっております！ (2020年7月6日 22時) (
レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
ミツユキ - 更新ありがとうございます。私の、最高の誕生日プレゼントになりました！ (2020年7月6日 18時) (レス) id: c04652f79c (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - わぎゃあコメントありがとうございます!!コメント嬉しすぎて語彙力追い付かないです。現時点が今作一番の山場ですが、しっかりとハッピーエンドに向いますので！それまでもう暫くお付き合いくださいませ！ (2020年7月5日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - コメント失礼致します。とても丁寧に作り込まれたお話で、私の語彙力ではこのお話の素晴らしさを言い表すことが出来ません…！軍パロ作品の中でも特に繊細に作られたお話だと感じました。これからも素敵なお話を楽しみにしています！長文失礼致しました。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 7cbe04ba0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
