30-赤蜘蛛 ページ30
「バグローヴィ！今、庭から銃声聞こえてんけど、観光客か！？」
「書記長、ご安心ください。遊撃軍司令官と近距離軍司令官の内部ゲバルトでしたし、先程ひ、とらん様が向われました」
慌てて来た書記長にそう伝えると、眉間に皺が寄った。はて、何か気に障る事を言っただろうか。
「ほっぺ、どうしたん？」
「なんでもありません。それでは」
医務室にさっさと行こう。軍医様には問い詰められるだろうけども、彼は医者として心配しているだけだろうし。
「それで、ひとらんから連絡来たんだね〜？」
「すぐに収まるので、大丈夫だと思うのですが……」
「ん〜？なんでそうなったのか教えて貰える？立場とか気にしないで、正直に」
じゃないとスケッチブック奪って見ちゃうよ〜と脅され、仕方なしにあった事を話すと、少しずつ軍医様の纏う空気が変わった。
「うん、これはワンコ達が悪いね。正直に話してくれてありがとね〜」
脅したくせにとは言えず、はぁ、と間抜けな返事が口から抜けていった。氷嚢を渡され、収まるまで医務室から出るなと命じられたので、渋々従う。口の端が切れていたのも気付かれ、薬を塗って貰った。
「今日は休みなんだっけ？有給？」
「昨日は兄様と軍曹様にその、城下町に」
「休日でもその格好だから？」
気付かれたか。お二方が公言するとも考えられない以上、軍医様の観察力には言い返すのは無謀だ。
「Aちゃんてさ、お給料何に使ってるの？」
「仕送りと、趣味に少し」
「それだけ？」
「それだけですが」
「自分で使うのは趣味にだけ？」
「左様ですが」
……何故黙るんだ。そして何故ファーストネームで呼ぶんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - ミツユキさん» 誕生日プレゼントとしてもう一話更新しました！大きく動いた回(?)となっております！ (2020年7月6日 22時) (
レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
ミツユキ - 更新ありがとうございます。私の、最高の誕生日プレゼントになりました！ (2020年7月6日 18時) (レス) id: c04652f79c (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - わぎゃあコメントありがとうございます!!コメント嬉しすぎて語彙力追い付かないです。現時点が今作一番の山場ですが、しっかりとハッピーエンドに向いますので！それまでもう暫くお付き合いくださいませ！ (2020年7月5日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - コメント失礼致します。とても丁寧に作り込まれたお話で、私の語彙力ではこのお話の素晴らしさを言い表すことが出来ません…！軍パロ作品の中でも特に繊細に作られたお話だと感じました。これからも素敵なお話を楽しみにしています！長文失礼致しました。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 7cbe04ba0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
