○ 32 待ち人 ○ ページ33
日は傾き、空の色が変わり始めた頃。
「わり、遅くなったな」
待ち人はきた。
「疲れてるのに、こっちこそごめん」
隣、とベンチの端にズレる。
「さんきゅ」と返事をし腰掛ける彼は、何処と無く遠慮気味なのが伺える。
その感じがむず痒くて落ち着かない。
しかし私が呼び出したんだから、話さなきゃいけない。
そんな気持ちを見越してか
「ゆっくりでいいぜ」なんて言うから、できた男だと思う。
同時に、私には勿体無いとも。
「ううん、いいの、大丈夫…大事な話、したいから」
私の言いたいことを大体察したのか山本くんは黙ったまま。
「山本くんに、謝らなくちゃいけないことがあるんだ。うん、ちゃんと謝らなきゃね。」
まるで自分へ言い聞かせるように呟く。
「私…嘘ついてた。山本くんにも、自分の気持ちにも。それで苦しくなって、心のどこかで山本くんなら許してくれるって思ってた。最低だよね…っ!!」
気持ちが溢れて泣きそうになるのをぐっと堪え、自嘲する。
「山本くんと別れるとき…ほんとは別れたくなかった…っ!好きで、大好きで、苦しかった…っ!!山本くんのことも、傷つけたよね…っ!!こんな私のことを好きでいてくれたのに……っ!!」
涙が溜まり、視界がぼやけた。
山本くんは姿勢をかえて、ギュッと私を抱きしめてくれた。
それをきっかけに、私の涙は止まらなくなった。
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シキ(プロフ) - LNeさん» うんうん!ほんとほんと愛されてるよねぇ~(≧∇≦*)。゚(゚´ω`゚)゚。 (2018年3月21日 22時) (レス) id: 39df0bc08c (このIDを非表示/違反報告)
LNe(プロフ) - シキさん» わわわ、嬉しいです……!何年経っても愛されている素敵な作品ですよね! (2018年3月21日 19時) (レス) id: fbf0d21ea1 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - LNeさん» 続きも今見てるんですけどもうーやばいですね!リボーン大好きなので!この話バリバリオススメしたいです!知り合いに(*´ω`*) (2018年3月21日 18時) (レス) id: 39df0bc08c (このIDを非表示/違反報告)
LNe(プロフ) - シキさん» コメントありがとうございます...!そう言ってもらえると励みになりますね〜!これからも応援の程よろしくお願いします! (2018年3月21日 18時) (レス) id: fbf0d21ea1 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - バリバリいい作品ですね!頑張ってください! (2018年3月21日 18時) (レス) id: 39df0bc08c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LNe | 作成日時:2018年1月13日 15時