** ページ14
*
「あっ、そらるさーん!」
顔を上げると、真っ白の髪でぶんぶんと手を振る、明らかに怪しげな俺の友だちがいた。
スマホの画面を閉じ、柱から体重を足に戻す。
「遅い。10分の遅刻」
「え〜、そらるさんだって前会った時15分も遅刻してたじゃないですか!」
「…うっさい。ほら、行くぞ〜」
ぶーぶーと後ろで文句を言うまふまふを無視して、またスマホを開き地図を確認する。
……うん、合ってるな。
ついでにトークアプリも開き、Aに今日はまふまふと晩ごはん食べてくるからな、と朝も言ったことと同じメッセージを送っておく。
変なとこで抜けてるからな。
しばらく歩き、この間Aと訪れた店についた。
少し古びたザ居酒屋って感じの店。だけど個室もあるし酒も美味いから、かなり気に入っている。
ただ、欠点といえば着くまでの道がかなり複雑ってことかな。
1番奥の個室に入り、メニューを開く。
今日は前飲まなかったやつにしよ。
「まふまふはどれにすんの?」
「…うーん、僕はこれで!」
「おっけー」
店員に注文し終え、一息つく。
「そういえばそらるさん、バレンタインのお返しどうするんですか?」
「…んー、悩み中。この間お気に入りのイヤリング失くしたって言ってたし、多分イヤリングかな」
「なるほど…」
「まふまふはどうすんの?」
「……僕貰ってないので…!」
しくしく、と泣き真似をするまふまふ。
こいつの場合、貰えない以前に女性と関わりがないからなあ。
しばらくして注文したものが運ばれ、だらだら喋りながら飲んだり食べたりする。
「……あっ、すみません電話です…すぐ戻りますね」
「んー」
そう言って部屋を出ていくまふまふ。
暇だなーとAとのトーク画面を開くが、既読がついていない。
…おかしいな、この時間なら気づいてもいいのに。寝たのかな。
なんてことを考えながらトーク画面をぼーっと見ていると、バタバタと慌ただしく扉が開きまふまふが戻ってきた。
元々白い顔が、さらに白くなっていた。
「どうした、まふま_」
「…っ、そらるさん、店にAさんと、」
────男の人が。
21人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨上がりのcrew(プロフ) - ところで、甘味没収のときのセンラさんは夢主ではなく他の人と結婚をしていたのでしょうか、、、?隠し持っていた結婚指輪と書いてあったので、、、 (2019年7月16日 0時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年7月16日 0時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ