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自分の中では久しぶりと思えるAとのデートを終え、家に帰り着いた後に、何だか僕は意味の分からない悲壮感に苛まれた。
Aには｢少し部屋の掃除をして来るから部屋には入って来ないで｣と伝えてあるからきっと部屋には入って来ない筈だが、あのAだ。
僕の事を心配しない筈がないだろう。
｢このまま何もかも忘れちゃうのかな……今日の事だって忘れて、Aが好きだって言う気持ちも忘れちゃうんだ…｣
そう一人呟いた言葉は寂しく部屋に消え行く。
昨日の事もそうだが、今日の事すらまともに覚えていないのだから、彼女の事を忘れるのも時間の問題だろう。
苦しくて、どうしようもなくて、ただただ自分の目からはボロボロと情けなく涙が出ていくばかりだった。
きっと泣きたいのは僕じゃなくてAなんだ。
僕が何もかも忘れて行くから、自分の部屋だけでなく、家中に｢ここはトイレ！｣だとか｢食器はここに仕舞ってあるよ！｣だとか普通の家庭では必要のない張り紙があちこちに貼ってある。
そんなのアルツハイマーでも何でもないAからしたらきっとそんな張り紙もうんざりするんじゃないか、なんて考えては悲しくなって、泣きたくなって＿＿＿というのがほぼ毎日。
｢まふー？大丈夫〜？｣
Aの心配そうな声に僕は必死に涙を拭って答えようとするも、ただただ涙が溢れ出るばかりで。
声を出そうとするも、出てくるのは止まることを知らない涙と嗚咽だけ。
とうとう痺れを切らしたのか、Aが入るよ〜と言って扉を開いた。
｢まふ！？どうしたの！？何かあったの！？｣
｢う、うっうん、何もな、いけど…、っ、ご、ごめん…！｣
｢えっと、私は大丈夫だから…！だから何があったのか教えてくれない…？｣
こんな僕のために優しく接してくれる彼女はどこまで優しいのだろう。
何もできずにただただ忘れていく事だけしか出来ない僕には彼女に何もしてあげられない。
｢あの、ね…、本当に、ごめん…っ僕が何もかも忘れちゃう、から…っ、Aに辛い思いばっかり、させちゃって……！｣
｢そんな、そんなこと、ない｣
優しく僕の背を擦る彼女の声が震えている気がして、彼女の事を見ると、大きな瞳から大粒の涙をポロポロと零していた。
｢何でAが泣くの……？｣
｢まふも辛いんだなぁ、って…っ、あのね、何年も前に、まふが作った曲なんだけどね、聞いて貰ってもいい、？｣
そう言って君から差し出されたイヤホンを耳にする。
その瞬間、僕の涙はピタリと止まって、変わりに全身が粟立った。
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雨上がりのcrew(プロフ) - ところで、甘味没収のときのセンラさんは夢主ではなく他の人と結婚をしていたのでしょうか、、、？隠し持っていた結婚指輪と書いてあったので、、、 (2019年7月16日 0時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
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