◇ ページ13
今日一日の業務の無事に終わり､お月様が頭上でほんのりと光で照らしてくれた帰路をいつもより速度を早めて歩いていく｡
昨日襲われかけたのに今日は悠々と帰るなんて出来ないし､もしかしたらまた誰かに付けられてるのかもしれないと思うと､恐怖で足は進むのを止めない｡
家に着くと焦りながらも急いで鍵を開けて素早く中に入る｡
明かりがついた家の中にほっと一安心し､鼻腔をくすぐる美味しそうなシチューの匂いに疲れは恐怖はするすると消えていった｡
｢ただいま｣
挨拶しながらリビングへ繋がる扉を開けると､そこには私の帰りを待ってくれたであろうストーカーのトントンさんと可愛い弟のグルッペンが食卓を囲んでいた｡
｢おかえりなさいAさん｣
｢遅かったな姉さん｡おかえり｣
ニッコリと私に微笑んでくれる懐かしい弟の姿に大きくなったなぁと思いながらスっとスマホを弄る｡
初めて電話をかける番号を打ち込み､私も弟に笑ったまま繋がった相手に話す｡
｢もしもし､警察ですか？｣
｢姉さん！！やめろ！！｣
弟が飛び込んできて私の携帯を奪い､間違え電話ですと言って電話を切った｡
何するんだという目線を向ければ､弟は拗ねたような表情でこちらを見ていて思わず可愛いなとブラコンを拗らせてしまいそうになる｡
久しぶりに会う弟は､今まで見た事がなかった警察官の制服を着ており､妙に青色が似合わなくてふふっと笑ってしまった｡
弟の私服と言ったら黒とか灰色とかしか見たことがなかったから､青色というのがすごく新鮮で新しい弟の一面がしれたと思うと嬉しくなってくる。
｢久しぶりだな｣
｢そうだね｡ところで､どうやって家に入ったの？鍵はお母さんにしか渡してないはずだけど｣
｢あぁ｡母さんが姉さんの鍵を無くしてしまいそうだと言っていたから俺が預かってるんだぞ｣
いや母さん､お前…｡と思わず頭を抱えてしまった｡
会いたかったと言ってくれる弟に可愛いなと思いながらも､こんな可愛いのにこいつもストーカーなんだよなぁ｡と溜息が零れる｡
ほんと､どこで道を間違えたんだろう｡
弟がシスコンであっても超えては行けない領域を理解して欲しいと思うも強く言えず､次からは一言声かけて家に入ってねと伝えると､嬉しそうに頷く｡
｢あ､夕飯はシチューだぞ｣
｢まだ夕飯食べてませんよね？｣
｢あ…はい｣
何だこの空間｡とてつもなく逃亡したい｡
出来ないとわかりながらもそう思っちゃうのは､仕方ないよね｡
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あきみかん(プロフ) - コメント失礼します。完結おめでとうございます！とっても面白かったです。またちょくちょく読み直しに来ようかな…。とにかく、こんな良い作品をありがとうございました…！ (2021年7月12日 22時) (
レス) id: 8016636dd6 (このIDを非表示/違反報告)
とかげ - 連チャンになってしまって申し訳ないのですが、完結おめでとうございます！！素敵な作品を生み出してくださり、どうもありがとうございました！！お疲れさまでした！ (2021年7月12日 17時) (レス) id: f7b3ff643c (このIDを非表示/違反報告)
rice。(プロフ) - とかげさん» コメントありがとうございます〜！熱量が伝わるコメントとても嬉しいです！無理のないよう最後まで駆け抜けるので､最後まで読んでくださると嬉しいです｡ (2021年7月11日 21時) (レス) id: 2bcfda530e (このIDを非表示/違反報告)
とかげ - コメント失礼します！！めっっちゃ好きです！！！！！最終的にみんなが主ちゃんに対する見方を変えるというか、改心するようなくだりが本当に好きです！！！！tnさんとの絡みも大好きです！！！！更新のために無理をする、なんてことはなさらないでくださいね！！！！ (2021年7月11日 20時) (レス) id: f7b3ff643c (このIDを非表示/違反報告)
rice。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます〜！ひゃ~そういうふうに言ってもらえて嬉しいです！これからもメンヘラヤンデレのオンパレードですので､無理しないで読んでくださると嬉しいです｡頑張ります！ (2021年4月6日 8時) (レス) id: a90d1b4d15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rice。 | 作成日時：2021年1月8日 22時
