風柱の継子兼専属医【鬼滅の刃】 (ページ47)

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47話ページ47

「そういうことはね。気づいた所で黙っておくのが、“賢い生き方”というものなんだよ。今まで皆、そうして生きてきた」

男と女の見栄と欲、愛憎渦巻く夜の街も寝静まった頃
京極屋の上空で、ある鬼が女将をまさに殺そうとしていた

「お前は私が思っていたより、ずっとずうっと頭が悪かったようだねぇ。残念だよ、“お三津”
そんなに怯えなくとも大丈夫さ。干涸らびた年寄りの肉は不味いんだよ。醜悪で汚いモノを、私は絶対に食べたりしない。お前はグシャッと転落死」
女将「やめっ…」
「さよなら、お三津」

鬼はそう言って手を離し、女将を落とした
女将のあらゆる関節はあらぬ方向へと曲がり、とても見ていられない程酷いものであった
誰もが女将が死んだ、そう思っていた

『上手く、騙せたみたいです』
女将「ま、まさか本当に…」

そこには建物の陰に隠れながら様子を伺う男装をしたヒナタの姿と恐怖に震える女将の姿があった

『さ、気づかれる前に移動しますよ』
女将「ま、待って。せめて旦那だけにこの事を」
『…お気持ちは分かります。ですが、どこで情報が漏れるか分かりません。ここの皆さんには悲しい想いをさせてしまいますが、この先の平和な生活を送る為に、今は耐えて下さい』
女将「うぅ…」
『早く移動しましょう、捕まって』

ヒナタは女将を背負い鬼に気づかれぬよう気配を消し、遊郭を後にした

(できる限りの事はした。あとは、術が上手く作動してくれることを願おう…)