【イナGO】炎と涙、復讐～歌姫の逆襲～【Story remake version】 (ページ6)

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【STORY.04†闖入者達との会話】ページ6

「私、碧空林檎(へきくうリンゴ)ー♪」

「…俺は火宮紅蓮(ひのみやグレン)」

「ちなみに、私も紅蓮も名前で呼び捨てでいいよー♪」

「つーかそれ遠回しに強制してるだろ」

A「…」

…えっと。
二人はどうやら二年生だったみたいで、部活は入ってないらしい。

林檎「ねぇねぇA。…あっ、Aって呼んでいいかな？」

A「う、うん。特に気にしないから…」

紅蓮「…」

A「…あの、貴方と一緒に来た男の子…なんか、頭抱えてるけど…」

林檎「いーのいーの。いつものことだから。ねー」

紅蓮「『ねー』じゃねえよーぉ…俺の苦労分かれよー」

A「…」

ああ。彼、林檎っていうこの子によく振り回されてるんだな。
二人の様子を見て思ったのはそのこと。

林檎「Aって、よく此処で歌ってるの？」

A「…最近は、そうかな」

林檎「ふんふん。通りで最近、歌声が聞こえる筈だよー」

A「…え？」

林檎「屋上に歌を歌う幽霊が出るって噂で」

A「ゆ、ゆう…れい……」

林檎「あれ？」

紅蓮「あー…今の、こいつの冗談だから」

A「…冗談？」

林檎「でも、綺麗な歌声の誰かが歌ってるってことは噂になってるね」

A「…」

…やっぱり、場所をもう少し選べばよかったな…。
じわじわと恥ずかしさが湧き上がってくると、下校時刻の鐘が聞こえてきた。

林檎「ありゃりゃ…」

紅蓮「もうこんな時間か…今日俺らだろ？買い出し」

林檎「うわぁー…」

A「…」

近くに置いてた自分の鞄を持って、先に出ようとした。

林檎「ねーねー、一緒に校門まで…」

A「やめといた方がいいよ。…僕と親しくしたら、それは」

林檎「…だめ？」

A「…」

林檎「…うー。…じゃあじゃあ！また明日、昼休みにここでね！」

A「えっ…」

林檎「約束だよー！まったねーA！」

紅蓮「あっ！おーい先に行くなって！…あ、…明日此処で待ってるから。じゃあな！」

A「あ…。…えっと、…さよなら…？」

今までなかった出来事に戸惑いを覚えながらも…。

A「…明日、待ってる…か」

久し振りに感じた気がする感覚に、どこか懐かしさを感じた。