【イナGO】炎と涙、復讐～歌姫の逆襲～【Story remake version】 (ページ11)

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【STORY.08†頭痛】ページ11

翌日、熱は下がっていた。だけど…どうしてか、頭痛だけが残っていた。
…流石に二日続けて休むなんてことしたくない。多少無理すれば平気だと思って、登校した。
いつもより早めに出て、学校に向かう。

A「…」

眉間にしわが寄らないように気をつけないと…。
ただでさえ普段から鋭過ぎる五感が精神をすり減らしてくるというのに、更に頭痛がする。…いいえ、こんなことで弱音を吐く訳には…。
そんなこんなで、なんとか学校には辿りつけた。
教室に入ると、まだ誰もいなかった。この時間だと、運動部員もまだだと思う。
自分の席に着くと、考える。

A「…」

この頭痛は一体何から来るのか。
昨日寝過ぎた？今頃溜まりに溜まったストレス？それともまさか、五感が更に鋭く…？
…だとしても、どれもここまでとは思えない。五感に関しては特に何の変化を感じていない。

A「…」

そういえば、前にも似たような状況があった気がする。確かあれは…。
…そうだ。サッカー部に入部した時だ。
私は昔、誰かと一緒にサッカーをしてた記憶を思い出した時とよく似てるんだ。

A「…？」

もしかして…私の記憶が戻ろうとしてるの？…だとしたら何故？
まさか、夜月達が私の記憶に関係してる？

A「…」

それなら、初対面の筈なのにそうとは思えなかった理由になるかもしれない。
いくら林檎が人懐っこくても、初対面相手に突然下の名前呼びにするとは思えない。
…とにかく。

A「…確かめてみる必要が、ありそうね」

そう一人決めて、それからは聞くタイミングを探した。
そして、そのタイミングをやっと見つけたのは、だいぶ人がいなくなった放課後の廊下。

A「あの…林檎、紅蓮」

林檎「んん？」

紅蓮「どうかしたのか？」

A「あの、えっと…。…二人に、聞きたいことがあるの！」

思い切って、会ったことがあるのか直接聞いてみることにした。

林檎「…前に会ったことあるかって？」

紅蓮「…」

A「…いきなり、こんなこと聞かれても困るのは分かってるけど…」

やっぱり、二人ともどこか困ったような顔をしていた。お互いの顔を見た後、二人は。

紅蓮「…そう、だな」

林檎「…あのね」

A「…」