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《50》 ページ3

ラップバトル当日

貴女side
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中王区はいい所だ。

色々な物が揃うショッピングモールに娯楽施設、綺麗な湖の見える公園

綺麗で穏やかで好き

まぁ、私は外の世界に"行ったことがない"からそんなことを言えるのだろう。


地上から遠く、ガラス張りになった廊下で外を見ながら思った。









コンコン








?「入れ」


『呼ばれて来たAちゃんだよ☆
ねぇねぇ、今日は何をするのー?』


?「...はぁ、A」


『なぁに?』


?「その喋り方何とかしろ、飴村乱数が脳裏をチラつく」


『ぶー、いーじゃん...
元々ボクはそう設計されてるもん』


?「それでもだ。
私といる時はやめてくれ」


『...わかったよ、無花果様』









勘解由小路無花果


私の上司で他のクローンと違う私に優しくしてくれる。


感情を持った失敗作な上に突然変異で性別が転換してしまったのに。


普通なら処分される筈が、私が女という理由で無花果様は私を守ってくれた。


恩人とも言うべき人。









『無花果様、なんで私を呼んだの?』


無花果「あぁ...どこも身体に不調はないか?」


『不調...んー、今の所ないよ?
はっ!まさか私もう処分され─────』


無花果「違う!違うから落ち着け
どこも不調がないのならいい。
もし何かあればすぐに言え」


『はーい』









身体を気遣ってくれる無花果様は、本当に優しい。

私は無花果様が一番好き。

この温かいものをなんて呼ぶんだろう?

あれ、そういえば...

こんなこと前にも───────




「悪夢なんか見ないようにボクが守ってあげる」


「俺に無断で、居なくならないでくれ...」




─────────────



あ、れ...?

これは誰の...









無花果「...ぃ...おい、A」


『!...な、なに?』


無花果「大丈夫か?」


『あ...うん、なんかぼーっとしちゃった...』


無花果「...今日は好きにするといい、また用があれば呼ぶ」


『うん』









そう言われ、私は無花果の部屋を後にしようとすると「A」と名前を呼ばれて引き留められた。

私は後ろを振り向いて、首を傾げた。









無花果「A、ラップバトルの会場へ共に行く。だから選手控え室の近くには行くな」


『えー?どうして?』


無花果「これは命令だ、いいな?」


『...はーい...』









命令、か。

私は無花果の部屋を後にした。

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作者名:はる猫Blood | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/  
作成日時:2021年8月21日 19時

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