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《40》 ページ42

無花果に案内され、どこかの部屋に通された。


ソファーに座わらされ、低い机を挟んだ反対側のソファーに無花果が座った。


モノクロな部屋、無花果の部屋なのだろうか?


何で私が兄と一緒にいるってことを知ったんだろうか。


というより、兄はどこに...









『...兄はどこ』




無花果「そう焦るな、すぐに会えるようにする

...少しだけ話をしないか?」




『何の話?』




無花果「これからのことだ」









これからのこと?


こんなとこに勝手につれてきた挙げ句にこれからのことを話す?


身勝手も甚だしい。









無花果「だがその前に聞きたいことがある」



『?』



無花果「所持品を確認したところ、飴も何も持っていないようだったが...

どうやって生命維持をしているんだ?」



『兄と違って私は突然変異型、維持しなくても生きていけるのかもね』



無花果「ほぅ...まぁいいだろう」









兄をディスった気がするけど、許してくれるよね。


今はそれどころじゃないし。


次は何を言われるの?


無花果といると心臓がいくらあっても足りないくらい怖い。









無花果「...A、中王区(ここ)へ戻ってこい」



『は!?』



無花果「お前があんな野蛮な男共にまみれた場所で生きていたと知っていれば...

中王区は安全だ、私はお前を一人の人間として扱うと誓おう。

だから、ここへ戻ってこい」



『...』









"野蛮な男共にまみれた場所"?



兄も幻太郎も帝統も...みんな優しかった。

野蛮なんかじゃない。

みんなといる時は、楽しかった、面白かった、自分が自分でいられた。




"中王区は安全"?



私たちを作り出して起きながら、実験に使って使い捨てて。

用がなくなったらゴミ箱行き。

それのどこが"安全"なの?

"残酷"の間違いだ。




"一人の人間として扱う"?



私だけ?

兄は?

こんなのは間違ってる。

認められるなら兄も認めてよ。

そうじゃないなら、私は...


私は一人で人間になんてなりたくない!!









『ふざけないで!!』



無花果「!」



『...何、それ...

みんな野蛮な人なんかじゃない

中王区が安全だなんて私は思わない』



無花果「A...」



『人間として扱うだなんて...

兄はどうなるの?

私一人だけなんて笑える...

私はそこまで自分勝手な考え無しじゃない!

...舐めんなよ、勘解由小路無花果』

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はる猫Blood(プロフ) - 由美子さん» コメントありがとうございます!そう言って頂いて嬉しい限りです! (2021年3月11日 16時) (レス) id: 29336fe771 (このIDを非表示/違反報告)
由美子 - 可愛すぎて尊い! 私もこの妹の立場にいたらどんなに幸せなんだろ (2021年3月11日 15時) (レス) id: 6fa9dce11e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はる猫Blood | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/  
作成日時:2019年2月24日 17時

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