《36》 ページ38
貴女side
──────────
────────────────────
数分前
兄たちの控え室の前には、念の為の警備の人が二人ほどいた。
どうにかして兄に会いに行きたい。
恐らく、兄たちのいる部屋は防音性のあるもので造られているだろう。
作戦が漏れたり、本番前のラップの練習をしてもいいような造りになっていると思う。
外の音も当然聞こえないはず。
なら別に、ヒプノシスマイクを使って警備の人を黙らせることも出来るんじゃ？
『...あの』
警備1「！...お嬢ちゃんどうやってここまで来たの？」
警備2「あー、もしかしてここにいるチームのファンかな？」
『えっt』
警備1「だめだめ、ほら来た道まっすぐ帰って」
警備2「報告はしないであげるから、早くおかえり」
人の話を聞きやしない。
知らないでしょ？
私はその部屋にいる飴村乱数の妹なんですよ？
人の話をろくに聞かないようなワッル〜イ人達にはおしおきが必要だよね？
ブォン...
警備1･2「！？」
『人が話そうとしたのに...
ちゃんと聞かないのがいけないんだよ？
基礎のなってない人の明後日はない
死語しか話せない死後はどんなの？
見栄捨ててさっさと逃げればいいじゃん
知恵もないだろ？言う事聞けよ』
警備1･2「うっ！？」
私のラップで警備の人が倒れた。
この程度で倒れるなんて...よく警備をしようなんて思ったね。
そんな警備の人も、ヨレっとしながら数秒後には立ち上がった。
目を見れば、既に光は灯っていない。
催眠は成功した。
『...そこを通してくれる？』
警備1「...はい...」
警備2「...どうぞ...」
本当は、催眠をかけるのはあんまり得意じゃない。
自分の頭がふわっとして少しダメージを受けるからだ。
精神力が強ければ強い程、自分に受けるダメージは増える。
兄にかければ、きっと頭が割れそうなほど痛むだろう。
吐血してもおかしくはない。
今回は、警備の人たちの精神力が低くて助かった。
...よし、ここでぼーっとしてても仕方の無い。
早く入っちゃおっと...
コンコン...
ドアをノックすると、中から兄の声がした。
そして、ドアはゆっくり開かれる。
最初に目にしたのは、驚いていた兄の顔だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる猫Blood(プロフ) - 由美子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂いて嬉しい限りです！ (2021年3月11日 16時) (
レス) id: 29336fe771 (このIDを非表示/違反報告)
由美子 - 可愛すぎて尊い！ 私もこの妹の立場にいたらどんなに幸せなんだろ (2021年3月11日 15時) (レス) id: 6fa9dce11e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はる猫Blood | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/
作成日時：2019年2月24日 17時
