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幻太郎side
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予選出場者用、チーム別控え室
帝統「はぁー...疲れたぜ」
幻太郎「おや、もう音を上げるとは...
大の大人が情けないですねぇ」
乱数「ダイスゥ〜、こんなのまだまだ序の口だよ?
寧ろボクたちの相手にもならないくらいのザコしかいないしっ!
...それと、他のディビジョン代表にはボクと同じで元TDDのメンバーが出てくると思う。
気を抜いてると...みんな死ぬよ」
乱数のいつも以上に本気な声色で言われ、背筋がゾクッと凍るような感覚に落ちた。
俺はTDDと対峙したことも、況してや戦ったことすらない。
知っているのは名前と、最強であったということだけ。
一人一人がどんなに強くとも、"死ぬ"というのは少し言い過ぎじゃなかろうか。
幻太郎「TDDのメンバー...それほどまでに個人個人が強いということですか?」
乱数「そうだよ」
帝統「...はっ、命を賭けたヒリつく勝負ができそうじゃねぇーか!」
乱数「...ふふ、そだねっ!
もちろんボクたちが敗けるなんてありえないし☆」
帝統は相変わらず、魂の奥底からギャンブラーだと思い知らされる。
一体どんな環境で育ったらこうなるのだか。
乱数に至っては...いや、いつも通りか。
幻太郎「...ではそろそろ帰りましょうかね
明日は決勝戦、予選といえど油断出来ません」
帝統「だな、早く賭場に行きてぇ!」
コンコン
乱数「誰だろ?...は〜い」
ガチャ...
『...えと...おつかれさま、?』
入ってきたのは乱数の妹、Aだった。
彼女がここに入れたのが不思議だ。
いくら関係者とはいえ、入ることは難しいはずなのだが。
乱数「A!」
帝統「お前も来てたんだな!」
幻太郎「よくここに入れましたね...」
『うん、"お願い"したら入れてくれたよ』
子供のお願いで入れるほどの甘い警備なのか?
中王区主催のラップバトル。
警備にも当然、中王区の息が掛かってるはずだが...
乱数「そっか、お願いしたら入れてくれたんだ!
よかったね〜♪」
帝統「だな!」
『うん!
...げんたろー?』
幻太郎「何ですか?」
『...ううん、なんでもない』
この兄妹は謎が多すぎる。
彼女の俺を見た真っ直ぐな青い瞳は、綺麗なほどに怖かった。
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はる猫Blood(プロフ) - 由美子さん» コメントありがとうございます!そう言って頂いて嬉しい限りです! (2021年3月11日 16時) (レス) id: 29336fe771 (このIDを非表示/違反報告)
由美子 - 可愛すぎて尊い! 私もこの妹の立場にいたらどんなに幸せなんだろ (2021年3月11日 15時) (レス) id: 6fa9dce11e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる猫Blood | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/
作成日時:2019年2月24日 17時